Appleは数多くの製品を発売していますが、彼らが作り上げた傑作はiPhoneやMacだけではなく、建物にまで及びます。
その1つがAppleと建築事務所フォスター・アンド・パートナーズが8年間をかけて作り上げた「スティーブ・ジョブズ・シアター」です。この建物のこだわりや、秘密について、Appleに詳しいYouTubeチャンネル「Apple Explained」が解説しています。
*Category:テクノロジー Technology|*Source:Apple Explained ,wikipedia
「スティーブ・ジョブズ・シアター」は「iPhone X」が発表された2017年に完成し、Apple Parkと呼ばれるAppleの本社に隣接されています。
この劇場は、Apple Parkの中で最も高い場所にある小高い丘の上に建設されました。そして、その名の由来となった人物に敬意を示しています。
建物に近づくと、まず目に入るのが155フィートの円形のメタリックカーボンファイバー製の屋根です。この建物は、ガラスだけで支えられているため、まるで宙に浮いているように見えます。
正確には、高さ22フィートのガラスパネルが44枚あり、柱や梁は一切ありません。
この建物は、建築工学の偉業によって設計されています。
また、このデザインは構造的に問題があるように見えますが、アメリカで最も耐震性の高い建物の1つといわれています。
この建物の基礎には、巨大なボールベアリングのような振り子式アイソレータがあり、地震が来ても建物自体は動かず、建物の下の地面を揺らすことができます。
なんと、マグニチュード8以上の地震にも耐えることができます。
仮にすべてのガラスパネルが割れたり、落ちたりしても、80トンの屋根は残りのパネルで支えられ、来場者を守ります。
Appleとフォスターたちが、いかに安全・安心について真剣に考えていたかを示す建物です。
これは、この建物の革新的な特徴のほんの一部にしか過ぎません。
この建物の設計者は、Appleが製品をデザインするのと同じ哲学を持って、設計しています。
つまり、すべてのものに目的があり、かつ見た目は無理のないシンプルさを保とうとしているということです。
例えば、ロビーはガラスの壁と照明のついた円形の屋根だけで構成されているように見えます。
しかし、ガラス板の薄いシリコンのつなぎ目には、特注の水道管が隠されていて、屋根の中に埋め込まれたスプリンクラーに繋がっています。
この技術を使って、電力、データ、オーディオの配線を建物内に引き込んでいます。
この暗い円形のバーは、デザイン重視だと思われるかもしれませんが、実は機能的な目的を持っています。
なんと、スプリンクラー、スピーカー、Appleの内部通信システム用のアンテナを、収納しているのです。
これは、私たちが初代iPhoneで見た、無線信号を通過させるための黒いバーと同じ考え方です。
「スティーブ・ジョブズ・シアター」には、まだまだこだわりがあります。
オリジナルサイトで読む : AppBank
ジョブズの意思を継いだ「誰も買えない」Appleの傑作