Appleが2024年にも目指していると噂の「真のフル画面iPhoneの実現」への課題について、ディスプレイ業界に詳しい調査会社「DSCC」がレポートしています。
*Category:テクノロジー Technology|*Source:DCSS ,EverythingApplePro E A P ,Xiaomi
「DSCC」によれば、「iPhone 14」シリーズのProモデルは、リーク通り楕円形と円形の2つのパンチホールカメラを備えているとのこと。これにより、14 ProとPro Maxはより大きなパネルを採用することが可能になっています。
また、通常モデルではminiが廃止されMaxに置き換えることで、「iPhone 14」はより収益性が高くなると指摘しました。
現在スマートフォンの平均ディスプレイサイズは年々大きくなっているものの、現在はやや頭打ちの状態になっています。今後スマートフォンにおける画面の比率を最大化し続けるためには、カメラやセンサーをディスプレイの下に埋め込む必要があるそうです。
この課題を解決するために開発されているのが、アンダーパネルカメラ(UPC)です。UPCを採用したスマートフォンとしては「Xiaomi Mix 4」や「Galaxy Z Fold 3」などが存在しますが、現状では高コストで使い勝手が悪いとのこと。「DSCC」が取り上げた業界筋の報告では、いくつかのUPCの問題点が指摘されています。
まず、UPCは画面を透かして下に埋め込まれたインカメラを使用するという仕組みになっています。しかしUPCを搭載している「Xiaomi Mix 4」と「iPhone 13 Pro」の低照度性能を比較したところ、このように明らかに良くないとのこと。
リモートワークの増加により、より優れたビデオ通話体験の需要が高まっている現状、この品質では厳しいものがあります。また、この問題により、銀行などのアプリでの顔認証がうまくいかず、特に低照度下では認証がうまくいかないと不満をもつユーザーが複数いるようです。
この問題を解決するには、ディスプレイの透明度の向上や、高品質なAIによるリアルタイム補正が必要になるとのこと。この2点は、多くのUPC搭載スマホの課題となっています。
他にも、UPCの「焼き込み」や「見た目の悪さ」が課題として挙げられています。「Z Fold 3」は大きな画素を使用しているため、カメラ部分の見た目が目立ちます。
「Xiaomi Mix 4」はほとんどカメラ部分は見えないものの、フル輝度で100時間使用しただけで画素の焼き付きが残ったというユーザーの報告もあるそうです。
また、Face IDの画面下への埋め込みの難しさについても指摘されています。Face IDでは近赤外線を使った3D顔認証が利用されていますが、これを、有機ELパネル部分を透明化した改造iPhone Xで実証したところ、Face IDが失敗したとのことです。
これは、ディスプレイのカソード(電極)が近赤外線を妨げてしまう影響とのこと。Appleはこの埋め込み型Face IDを開発中で、早ければ「iPhone 15」シリーズで採用すると噂されています。
Apple製品のリークに詳しい海外のYouTuber「E A P」氏は、2024年登場の「iPhone 16」はさらに、完全にノッチやパンチホールが廃止されたディスプレイを搭載すると指摘していました。
まだまだ課題が残るこの技術ですが、2年後のさらなる進歩が期待されます。
オリジナルサイトで読む : AppBank
iPhoneの「真のフルディスプレイ化」を妨げる残酷な現状