「ペンネの怪人いた」
筒状で、表面には細かい溝がいくつもあるショートパスタの「ペンネ」のような頭。なのに首から下は人間のようで、姿勢正しく凛として歩いているかのような佇まいーー。
車が行き交う大通りのそばの歩道にそびえる謎のオブジェの写真がTwitterに投稿されたことをきっかけに、注目が集まっている。
漫画家の遠藤一同さん(@eeend)が5月22日夕方に写真を投稿すると、1日足らずで約5千件のリツイートと4.5万件の「いいね」が殺到。めずらしいオブジェに「笑っちゃった」「とても不気味」と率直な感想を投稿したり、地元に住むとみられる人が「幼い頃から『何これ?』と思ってる」と首を傾げたりするなど、反響が広がっている。
遠藤さんによると、オブジェを撮影したのは同日、北九州市小倉。コンサートを観に行った帰りに偶然通りかかって見つけたのだという。
「頭部と体の妙なバランスに惹かれました」と遠藤さん。投稿への反響の大きさには戸惑いながらも、「映画『シン・ウルトラマン』に端を発するウルトラマンのブームで、異星人のような見た目のキャラが受け入れられやすいのかもしれません」と分析する。
「このオブジェを実施に見たら、漫画家なら一度は描いてみたくなる魅力のある外見だと思います。テレビCMでこのオブジェが踊るアニメーションが流れたら人気になりそうなくらい、キャラが濃いと思います」
では、このオブジェ、一体何者なのかーー。
北九州市都市再生企画課の担当者によると、正式名称は「宇宙七曜星の精」。「太陽の橋」という愛称の「中の橋」(同市小倉北区)に、一定の間隔ごとに7体並んでいることが由来だという。
オブジェは橋が架かった1992年に設置された。同市の「市の花」に指定される「ひまわり」がモチーフのデザイン。「ペンネ」の空洞部分に太陽の光が差し込み、筒の輪郭(花びら)が影になると「ひまわり」の形の影が橋の上に浮かび上がる仕掛けだという。
宇宙七曜星の精は長年にわたり地元で愛され、冬の冷え込みが厳しい時期には住民によってマフラーが巻かれたり、足に靴下がはかされたりしているそうだ。
市によると、地元では「ペンネ」ではなく「マカロニ星人」と呼ばれることが多い。「ちくわ」に例える声もあるという。市の担当者は「マカロニでもペンネでもちくわでも、好きな呼び方で親しんでもらえたら」と話す。
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「ペンネの怪人いた」謎のオブジェに注目集まる。一体何者?市役所に聞いてみた