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「iPhone」と「iPod touch」の関係性から見るAppleの販売戦略とは?



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Appleにとって「iPod touch」は特別な存在です。

「iPod touch」がAppleの販売戦略にどのような役割があるのかを、Appleに詳しいYouTubeチャンネル「Apple Explained」が解説しています。



*Category:テクノロジー Technology|*Source:Apple Explained,apple公式

「iPod touch」が販売され続けた理由とは?

iPodは、長い間Appleの販売を支えてきました。特に「iPod touch」は第7世代までアップデートを繰り返しています。


第7世代「iPod touch」では、「iPhone 7」のプロセッサと同じ「A10」を搭載しています。更に、iPod史上最大容量の256GBのストレージにも対応しました。


しかし、多くの人が驚いた事はiPodがアップデートされるのではなく「iPod touch」がアップデートされ続けた事です。なぜなら「iPod touch」には、何年も前から廃止されるという噂が流れていたからです。

では、なぜAppleは「iPod touch」を開発し続けたのでしょうか?

iPodというものは、Appleの歴史の中で非常に重要な製品です。


iPodが登場するまでは、使用しづらく安価なプラスチック製のデバイスに20~30曲しか同時に持ち運べませんでした。しかし、iPodが登場したことによって同時に持ち運べる曲数は数千曲に拡大されました。更にiPodは、使用しづらい点やデザインも改善させたのです。


つまり、iPodは、音楽プレーヤーに対する人々の考え方を変えてしまったのです。

iPodは、250ドル(約32,000円)で販売されていました。そしてiPodには「iPod mini」というシリーズもあり、この機種は驚異的な販売成功を収めます。その後、Appleは2005年に「iPod mini」を「nano」に変更し、150ドル(約19,000円)という手頃な価格で販売しました。


当時は、Macを所有している人や、Appleというブランドになじみのある人はほとんどいなかったにもかかわらず、誰もがiPodを持っているような状況でした。


iPodが多くの人気を集めた結果、Appleの認知度は向上しました。更に、Appleの他の製品にも興味を持つユーザーが増えたのです。このことがきっかけで「MacBook」や「iMac」の売上は向上し、2007年の「iPhone」の成功への道を開いたのです。


通常の企業の場合、これほど歴史的意義を持つ製品であれば、それに代わる製品に移行することは難しいはずです。例えば、写真用品で有名だったコダックは、従来のフィルム写真からデジタル写真への移行が出来ず、2012年に倒産してしまいました。

Appleは自社製品を新しいものに置き換えること、つまりカニバリゼーションの重要性を常に意識していました。なぜならAppleがしないと、他の企業が先にやってしまうからです。

そして、2007年にiPhoneを発売したとき、AppleはiPhoneにiPodが内蔵されていることを明確にユーザーに伝えました。


これは、iPhoneを買うつもりなら、iPodを買う必要はないということをユーザーに示すものでした。

一部の経営者にとっては悪いビジネス戦略のように聞こえるかもしれません。しかし、AppleはiPhoneに今までの製品以上の魅力があれば、ユーザーはiPhoneを購入することに確信を持っていたのです。

AppleはiPhoneを史上最高の「携帯電話+iPod」として売り出したのです。そして、ユーザーは喜んでiPhoneを購入したのです。


Appleの予想通り、iPhoneが登場して以降、iPodの売上は減少傾向になりました。その為「iPod classic」が1994年に製造中止になっても、さほど驚きはありませんでした。しかし、不思議に感じたのは「iPod touch」がアップデートを続けていた事です。

では何が「iPod touch」の生産中止を阻んでいたのでしょうか。正直なところ、iPhoneが登場したことによって「iPod touch」には、価値がないように感じます。


実際に、今では多くの方がスマートフォンを持っています。「ピュー・リサーチ・センター」によると、2017年の時点でアメリカ人の77%が既にスマートフォンを所有していました。そしてこのスマートフォン所持率は「MP3プレーヤー」「デジタルカメラ」など、多くの製品が時代遅れになった理由の1つでもあります。

スマートフォンがあれば「Apple Music」「Spotify」などを通じて好きなだけ音楽を聴くことができ、曲をダウンロードしてデバイスに転送するという余計な時間を費やす必要もありません。

つまり、iPodのような音楽を聴くだけの製品を買うということは、現代のほとんどの人にとって不要なのです。


そして、Appleは以前よりiPodで稼げなくなっています。

以前はAppleの収益報告書にiPod独自のカテゴリーがありましたが、今ではiPodは「Apple TV」などの製品を含む「ウェアラブル/ホーム/アクセサリー」のカテゴリーに入っています。このカテゴリーは近年「Apple Watch」「AirPods」の成功により、Appleの収益を大きく向上させました。

しかし、Appleが報告書で「iPod touch」について言及しないため「iPod touch」がどれだけ売れているのか本当のことは分かりません。ただ「iPod touch」の人気は低下していると考えられます。

また、「iPod touch」の技術は時代遅れです。

「iPod touch」のフォームファクターは2012年から更新されておらず「iPhone 5」と同じディスプレイを使用しています。


技術革新の最前線にいると自負するAppleにとって「iPod touch」のような老朽化した製品は必要がないように感じます。

では、なぜAppleは長期に渡り、「iPod touch」だけを販売し続けてきたのでしょうか?

オリジナルサイトで読む : AppBank
「iPhone」と「iPod touch」の関係性から見るAppleの販売戦略とは?