一緒に小学校に入学したはずのトドのクラスメイトが、何日も学校に来ていないーー。高知市立浦戸小学校の新入生7人から、そんな心配の声が出ている。
心配されているのは、学校の近くにある桂浜水族館の公式キャラ「おとどちゃん」。4月7日の入学式に出席したきり、一度も学校に行かず、同級生を困惑させてしまったようだ。
桂浜水族館が4月11日、このことをTwitterで報告。「おとどちゃん、友達がたくさんいてよかったね」「また勉強しに行きましょう」「給食だけでも食べに行くべし」などと話題になっている。
おとどちゃんはピンク色のトドの女の子。浦戸小から徒歩15分のところにある桂浜水族館(高知市)の85周年記念で2016年に誕生した公式マスコットキャラクターだ。
おとどちゃんは今年で6歳になる。2022年4月7日午後、「ともだち100万人つくるやで!!」と意気込んで、浦戸小の入学式に8人目の新入生として参加した。事前に入学を許可する書類を同校の校長からもらっていたという。
おとどちゃんのお母さん、秋澤志名さん(桂浜水族館の館長)は「おとどちゃんが『6歳は小学1年生の歳だね』と言い出したので、『小学校に行きたいんかな?』と思い、浦戸小に相談しました。校長先生は、おとどちゃんを快く受け入れてくれました」と話す。
「ただ、おとどちゃんの誕生日は4月16日なので、正確にはまだ5歳。飛び入学しちゃいました」
登校前には、名前を呼ばれたら元気よく手を挙げる練習をしていたというおとどちゃん。当日、新入生の教室では、おとどちゃんの名前だけ呼ばれなかったハプニングがあったが、同級生が「おとどちゃんも友達だよ」「先生、名前を読んであげて」と声を上げてくれたという。
秋澤さんは「みんながおとどちゃんを『仲間』として認識してくれて、とてもうれしくて涙が出ました」と振り返る。
ところが、おとどちゃんは入学式以降、一度も小学校に登校していない。小1の児童からは、おとどちゃんを心配する声が相次いでいるという。
秋澤さんは、小学校に登校していない娘のおとどちゃんについて、こう説明する。
「おとどちゃんは桂浜水族館のTwitterを投稿するお仕事などがあるので、学校にはなかなか登校できません。ですが、ちゃんとリモートで浦戸小の校長先生から勉強を教わっています」
おとどちゃんもハフポスト日本版にコメントを寄せてくれた。
「校長先生から聞きました。おとどがぜんぜん学校に行かんき、みんなが心配しゆうよって。ありがとう。心配ないよ。おとどは水族館でお勉強しています。
みんながおとどのことを考えてくれたみたいに、お友達がいつもと違うなって思ったときは『どうしたのかな?』『お友達のために自分には何ができるかな?』って考えて、声を掛けてあげてね」
運動会や発表会などの学校行事やお祭りなどの地域の行事には、「浦戸小1年生」の一員としてスケジュールの許す限り参加していくという。さっそく5月には桂浜への遠足に参加する予定だ。
「かわいいと言われるより、こわがられることが多い」といい、自らの見た目にコンプレックスがあるというおとどちゃん。4月11日には、小学校の同級生たちに向けて 「みんながそれぞれの個性を健やかに生きられますように」とのメッセージをTwitterに投稿した。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「おとどちゃんはどうして来ないの?」入学式に出たトドのキャラ、一度も登校せず小1の同級生から心配される