ロシア出身の若きカートレース・チャンピオンが、表彰台で「ナチス式敬礼」のように見えるジェスチャーをしたとして批判を浴びている。
15歳のアルテム・セベリューヒン選手は4月10日、ポルトガルで開催されたFIA(国際自動車連盟)欧州カート選手権第1戦で優勝した後、表彰台上で自身の胸を右手でたたき、その腕を伸ばした。
ワシントン・ポスト紙によると、F1などを統括するFIAは、ロシアのウクライナ侵攻以来ロシア人選手の参戦を禁止しているため、セベリューヒン選手はイタリアのライセンス資格で参戦していたという。同選手はイタリアの国歌が流れる中、不適切なジェスチャーをし、その後笑っているように見えた。
FIAは4月11日にTwitterで声明を発表し、セベリューヒン選手の「容認できない行為について直ちに調査を開始した」と述べ、「さらなる措置についても、まもなく公表する」と加えた。
セベリューヒン選手の所属チーム「ワード・レーシング」も11日にInstagramで声明を発表し、同選手とは今後一切の関係を断ち、「レース契約の解除を進める」と述べた。
スウェーデンに本拠地を置く同チームは声明で、「表彰式におけるセベリューヒン選手の行動は完全に個人的なものであり、いかなる形でもワード・レーシングの見解や価値観を代弁するものではありません」と綴り、「ワード・レーシングはロシアのウクライナ侵攻を非難する国際社会と共にあり、この理不尽な攻撃のために苦しんでいる人々との連帯を表明します」と述べた。
ハフポストUS版はFIAとワード・レーシング双方にコメントを求めたが、記事の期限内に返答は得られなかった。
セベリューヒン選手は11日、ロシア自動車連盟のメッセージアプリTelegramのチャンネルに動画メッセージを投稿し、欧州カート選手権での「多くの人がナチス式敬礼と受け取ったジェスチャー」について謝罪した。
同選手は、このジェスチャーがナチスの敬礼だとの考えは誤解で、「真実ではない」と主張。「ナチス主義を支持したことはない」と述べ、ナチスの行為を「人類に対する最悪の犯罪の一つ」と考えていると話した。
彼は自分が「愚か」であることを理解し、「処罰を受ける覚悟」はできているが、ジェスチャーは誤解されていると主張した。
「私の行動に、悪意がなかったことを信じてください」「ナチスを支持したわけではありません」と述べた。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集した。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
表彰台で「ナチス式敬礼」⇒ ロシア出身の15歳レーサーがチーム解雇へ