第94回アカデミー賞授賞式が3月28日午前(日本時間)に、ロサンゼルスで開催された。
この3年間メイン司会者不在で行われた同授賞式だが、今回はエイミー・シューマー、レジーナ・ホール、ワンダ・サイクスの3人の女性コメディ俳優が司会者を務め、たくさんのジョークで授賞式を盛り上げた。
数あるジョークの中でも、社会問題に触れ皮肉を交えた3つのジョークを紹介しよう。
「今年は女性3人が司会者に選ばれました。男性1人を雇うより安いですから」(エイミー・シューマー)
これまで頻繁に指摘されてきた、ハリウッドに存在する男女の賃金格差。シューマーはこの問題を皮肉ったジョークを披露した。
2018年には、ケヴィン・スペイシーがセクハラで告発され一部撮り直しとなった映画『ケティ家の身代金』で、主演のミシェル・ウィリアムズとマーク・ウォールバーグの再撮影の出演料が1億円以上も差があったことが判明し、話題となった。
「今夜はみんな素敵な夜にしましょう。そしてフロリダのみなさんには、『ゲイ』な夜にしましょう」(ワンダ・スカイズ)
「ゲイゲイゲイゲイゲイ」(司会者全員)
一見、意味不明と思われるこのやり取り。実はアメリカのフロリダ州で3月上旬、「ゲイと言ってはいけない」法案が可決され、議論の的となっている。同法案は、フロリダ州の小学校で性的指向や性自認について議論することを厳しく制限するという内容。保守派によって推し進められており、性的マイノリティへの差別などを助長し当事者を危険にさらすとして、抗議する声が多数上がっている。
司会者はこの「ゲイと言ってはいけない」法案に反発し、「ゲイ」という言葉を連発した。
「レオナルド・ディカプリオは気候変動と一生懸命に闘って、若いガールフレンドたちのためにきれいで緑溢れる地球を残すためにすごく頑張っていますよね。だって彼女たちは彼より若いから」(エイミー・シューマー)
レオナルド・ディカプリオは、長年に渡り気候変動や環境問題に取り組んできていることで知られる。次の世代に美しい地球を残すことは大切なことだ。しかし彼はまた、かなり年下の女性と付き合うことが多いことでも知られており、それを皮肉ったジョークとなった。
ディカプリオが主演したNetflix映画『Don’t Look Up』は、受賞は逃したものの、作品賞など複数の部門でノミネートされた。同作品は、2人の天文学者が巨大彗星が地球に衝突する可能性を必死で訴えるものの、誰も真剣に耳を傾けてくれず、危機が迫ってくる…という内容。「現実の気候変動問題を連想させる」と話題になった。
ハフポストUK版の記事を元に、翻訳・編集・加筆しました。
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「女性3人のギャラは男性1人より安い」アカデミー賞司会者がジョークで皮肉った、3つの社会問題