ロシアの宇宙飛行士たちが、ウクライナへの連帯を示したのでは――。
そんな欧米メディアの報道を、ロシアの宇宙機関が否定した。
3月18日に国際宇宙ステーションに到着したロシアの宇宙飛行士3人が、ウクライナ国旗を彷彿とさせる青と黄の飛行服を着用していたことから、連帯を示した可能性が報じられていた。
18日に国際宇宙ステーションに到着したのは、ロシアのオレッグ・アルテミエフ宇宙飛行士、デニス・マトベーエフ宇宙飛行士、セルゲイ・コルサコフ宇宙飛行士だ。
3人はロシアが2月24日にウクライナに侵攻してから初めて、宇宙ステーションに到着するクルー。
ドッキングを成功させた後、黄色に青色の模様があしらわれたデザインの宇宙服で同ステーションに入り、仲間の宇宙飛行士らに歓迎された。
その後に行われた地球との中継で、アルテミエフ氏はスーツについて尋ねられ、「すべてのクルーがそれぞれの色を選びます」「黄色の生地がたくさんあったために、使い切る必要があり、黄色の飛行服を着なければなりませんでした」と説明した。
ウクライナへの侵攻が開始されて以来、多くの人たちがウクライナの国旗の黄と青を使って、戦争反対と同国への連帯を示してきた。
そのため、3人の宇宙飛行士のスーツカラーは大きく取り上げられたものの、ロシアの国営宇宙公社「ロスコスモス」は19日に、「ウクライナへの連帯では」という見解を否定した。
ロイターによると、ロスコスモス広報は「黄色はただの黄色」「飛行服は、3人の宇宙飛行士が卒業したバウマン記念モスクワ国立工科大学のロゴの色です。すべての場所や物をウクライナ国旗の色だとするのは、馬鹿げている」という声明をメッセージアプリのテレグラムに投稿した。
また、投稿ではロスコスモスのドミトリー・ロゴジン総裁も「色は単なる色であり、ウクライナとは関係がない」と否定し、さらに「私たちは宇宙にいるときでも、自国の大統領や国民と共にある」とプーチン氏への忠誠を見せた。
上空約400kmに浮かぶ国際宇宙ステーションは、ロシアやアメリカ、カナダ、日本そしてヨーロッパの各国が協力して運営しており、宇宙活動の拠点であると同時に、国際協力と平和のシンボルにもなっている。
同ステーションには現在、アメリカとロシア、ドイツの宇宙飛行士たちが滞在している。新たに到着した3人の宇宙飛行士は、約6か月間滞在してミッションに従事する予定だ。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「黄色はただの黄色」宇宙飛行士のウクライナへの連帯、ロシア宇宙機関が否定