ロシア軍による包囲が続いているウクライナ南東部の都市マリウポリの中心部で3月16日、演劇劇場が空爆で破壊された。ウクライナ外務省によるとロシア軍の砲撃で家を失った数百人が劇場に避難していところ、ロシア軍が強力な爆弾を投下したという。
アメリカの宇宙開発企業「マクサー・テクノロジーズ」が14日に撮影した衛星画像では、建物の前後にある広場にはロシア語で「子供たち」(детей)と大きく描かれていた。民間人の子ども達が中にいることをロシア軍に訴えていたものとみられる。
ウクライナのクレバ外相は16日、以下のようにロシアを非難するツイートをした。
「マリウポリで、また恐ろしい戦争犯罪がありました。数百人もの無実の民間人が避難していた演劇劇場に大規模なロシアの攻撃です。建物は完全に破壊。ロシアがここが市民の避難所だと知らなかったはずはありません。マリウポリを救え!ロシアの戦争犯罪者を止めろ!」
ロシア国営タス通信は、ロシアの駐米大使館の主張を伝えた。それによると、ロシア軍が劇場を空爆したというアメリカのメディアの報道は「フェイクニュース」であり、「民間人を人質に取ったウクライナの過激派が劇場を爆破した」と説明している。
マリウポリ市の公式観光サイトによると、この劇場の正式名称は「ドネツク学術地域演劇劇場」。1959年に建設されたもので、トルストイ、プーシキン、チェーホフ、シェイクスピアなど国内外の作品を初め、現代の作家や作曲家によるさまざまな作品が上演されていたという。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
【ウクライナ侵攻】「数百人避難」の劇場、爆撃で完全に破壊。建物周辺にロシア語で「子ども達」と書かれていた