注意:記事には遺体の写真が含まれます
ロシア軍による攻撃で、ウクライナ市民が大切な家族を奪われ、さらに悲劇的な形で死を知らされている。
セルヒー・ペリビニスさんは「Twitterに投稿された写真を見て、家族の死を知りました」とニューヨークタイムズに語った。
ペリビニスさんの妻と子どもたちは、3月6日に自宅のある首都キエフから避難した。しかしペリビニスさんは、母親の看病で東部ドネツクにいたため、一緒に避難できなかった。
この日、ペリビニスさんは家族の無事を確認するために、妻の携帯電話の位置情報を追い続けていた。
その時、Twitterに流れてきた写真に、キエフ近郊のイルピンでロシア軍に砲撃されて亡くなった4人の遺体がうつっていた。
それは妻のタチアナさんと、18歳の息子ミキタさん、9歳の娘のアリサさん、そして3人の避難を支援していた26歳の教会ボランティア、アナトーリ・ベレシュニさんだった。
ペリビニスさんは「荷物に見覚えがあったのでわかりました」とニューヨークタイムズに語っている。
ペリビニスさんが目にしたのは、ニューヨークタイムズの表紙に掲載された写真だった。また、妻と子どもに加えて、家族で飼っていた2匹の犬も攻撃で死んだという。
ペリビニスさんは「家族全員を失い、生きる意味を失いました」「これは戦争犯罪です」とワシントンポストに訴えた。
妻のタチアナさんは、ロンドンに本部があるソフトウェア会社「SE Ranking」のウクライナ法人の会計主任だった。
同社は3月7日にFacebookでタチアナさんの死を伝え「悲しみを表現する言葉も、痛みを癒す言葉もみつかりません。 しかしこれだけは言えます。私たちは決して、タニア(愛称)と子どもたちのアリス、ニキータを単なる統計上の数字にしてはいけない」と訴えた。
「彼女の家族は、民間人に対する一方的な攻撃の被害者になりました。どんな法のもとでも、これは人道に対する犯罪です」
3月6日のイルピンの砲撃では、ペリビニスさんの家族を含めて少なくとも8人が死亡した。
砲撃の瞬間を捉えた動画には、大きな爆発が起きた後、兵士たちが路上に横たわる人たちに駆け寄って救命士を呼ぶ様子や、犬の遠吠えなどが記録されている。
さらにロシア軍は3月9日には、南東部マリウポリにある産科・小児科病院を攻撃し、地元当局は、この攻撃で子どもを含む3人が殺されたと発表した。
ウクライナ政府は「人口密度の高い場所や、人道回廊などを無差別に攻撃している」とロシア側を非難している。
国連人権高等弁務官事務所によると、ロシア軍の侵攻が始まってから3月10日までに、ウクライナで549人の民間人が死亡した。また、報告が遅れている地域もあるため、実際にはもっと多くの犠牲者がいるだろうと考えられている。
ペリビニスさんは「家族の死が、写真や動画で記録されたのは重要なことだ」とニューヨークタイムズに語っている。
「ここで何が起きているか、世界中の人たちが知るべきです」
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
ウクライナの男性、妻と子の死をTwitterで知る「これは戦争犯罪」「何が起きているか知ってほしい」