「櫛でとかせない頭髪症候群」の男の子がインスタで人気者に。他人との違い祝福したい

アメリカ・ジョージア州に住むケイトリン・サンプルズさんは、Instagramで非常に珍しい頭髪の症状「櫛でとかせない頭髪症候群(UHS)」について発信をしている。

きっかけは、ケイトリンさん1歳の息子のロックラン・サンプルズさんが、2021年にUHSと診断されたことだ。

Peopleによると、ロックランさんは生まれた時は母親のケイトリンさんと似た黒い髪の毛が生えていたものの、生後6カ月になる頃には「産毛」のような髪質に変化した。

さらに生後9カ月になる頃には柔らくて白っぽい金髪になり、真っ直ぐ立つようにして生えるようになった。

そして2021年夏、ケイトリンさんはInstagram投稿を見た人から「息子さんは、櫛でとかせない頭髪症候群なのか」と尋ねられた。

この名前を初めて知ったケイトリンさんは、「“症候群”という言葉を見て動揺した、とABCに語っている。

「うちの子に何か悪いところがあるの?痛いとか何か問題がある?と思いました」

ケイトリンさんはネットでUHSについて調べ、かかりつけの小児科医にも電話で尋ねた。しかし医師をUHSを聞いたことがなく「ちょっと待って、調べさせてください」と言われたという。

最終的に、アトランタにあるエモリー大学病院の小児科専門皮膚科に診察を受けて、UHSと診断された。

櫛でとかせない頭髪症候群とは?

アメリカ国立衛生研究所によると、UHSは乾燥した縮れ毛が特徴で、髪が様々な方向に広がるように伸び、まっすぐにとかすのが難しい。症状は乳幼児から3歳くらいまでに現れ、12歳くらいまで続く場合もあるという。

また、これまでに100件ほどしか確認されていない珍しい症状だが、診断されないまま成長して、症状が消えた人もいるだろうと考えられており、実際にはもっと多くの発症ケースがあると見られている。

ロックランさんがUHSと診断された後、ケイトリンさんはこの症状についてもっと知りたいと調査したが、発症者数が少ないためか、ほとんど情報を得られなかった。

しかし、UHSの人やUHSの子どもを持つ親のFacebookグループを見つけて情報交換ができ、とても安心したという。

「私たちは写真をシェアして、様々なことについて話しました」「年上の子どもの髪の毛が年月を重ねるにつれて変化するのを見て、すごいと思いました」と、Peopleに語っている。

ケイトリンさんはUHSについてもっと知ってもらうために、ロックランさん自身のInstagramアカウントを作って発信を始めた。

2021年10月の初投稿では「私の名前はロックラン、ロックと呼ばれています。この夏に、遺伝性のUHSだとわかりました」「私のゴールは、インターネットに喜びを広げることです」と自己紹介した。

アカウントには、家族写真や兄と遊ぶ姿、ダンスをする動画など、ロックランさんの様々な表情が投稿されており、約4万人がフォローしている。

また、投稿には「すごくかわいい子ですね」「娘がかっこいいロックスターみたいと言っていました」など、ポジティブなコメントがたくさん寄せられている。

アメリカ国立衛生研究所によると、UHSの決定的な治療法は今のところ見つかっていないものの、大抵の場合、思春期頃までには症状はなくなる

また、「櫛でとかせない頭髪症候群」という名称ではあるものの、ケイトリンさんはロックランさんの髪の毛を櫛でとかすことができるという。ただし、「絡まりやすいので、非常に気をつけて扱っている」とABCに説明している。

ケイトリンさんは、Instagramを通してUHSのことをもっと知ってもらい、他人との違いを肯定的に受け入れるようになってほしい、と願っている。

「私たちが最も伝えたいメッセージは、目立つことや他の人と違うことを祝福しようということ。そして、櫛でとかせない頭髪症候群について知ってもらい、この症状についてもっと多くの情報を得られるようにしたい」とABCに話す。

さらに、自分の子どもがUHSかもしれないと思った親たちに「子どもの擁護者になってあげて」とも呼びかけている。

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オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「櫛でとかせない頭髪症候群」の男の子がインスタで人気者に。他人との違い祝福したい

Satoko Yasuda