第28回SAG(全米映画俳優組合)賞で、映画『コーダ あいのうた』に出演したトロイ・コッツァー氏が、助演男優賞を受賞した。ろう俳優が個人のSAG賞を受賞するのは初めてだ。
アメリカ・アリゾナ州出身のコッツァー氏。手話による受賞スピーチで、俳優を始めた頃の苦労を回顧しながら、長年サポートしてくれた映画俳優組合に感謝した。
そして『コーダ あいのうた』の配給者であるApple TV+に「私たちろう俳優を信じ、たまたまろうだった俳優としてキャスティングしてくれた」と伝えた。
また最後に、妻のディアン・ブレイ氏に「苦しい時にもいつも支え続けてくれた」と感謝。「レッドカーペットを歩く前に、ズボンのチャックの確認を思い出させてくれてありがとう」と冗談まじりに伝えた。
『コーダ あいのうた』は2014年のフランスの映画『エール(La Famille Bélier)』のリメイクだ。
タイトルのコーダ(CODA)は「Children of Deaf Adults」の頭文字で、ろう者の親を持つ、耳の聞こえる子どもたちを意味する。
コッツァー氏は、コーダでミュージシャンを目指すルビー(エミリア・ジョーンズ)の、耳の聞こえない父親フランク・ロッシ役を演じている。
また、妻のジャキー役のマーリー・マトリン氏は、1986年の映画『愛は静けさの中に』 で、ろう俳優として初めてアカデミー賞主演女優賞を受賞している。
第28回SAG賞で、『コーダ あいのうた』はコッツァー氏の助演男優賞受賞に加えて、最高賞にあたるキャスト賞も受賞した。
キャスト賞の受賞スピーチに立ったマトリン氏は、手話で「これは、私たちろう俳優も他の人と全く同じように仕事ができることを証明しています。もっとろう俳優の機会やろう文化が増えてほしい」と訴えた。
コッツァー氏はフランク・ロッシ役で、アカデミー賞助演男優賞にもノミネートされている。
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ろう俳優が個人で初めてSAG賞を受賞。手話スピーチで感謝「私たちを信じてくれた」