急拡大する暗号資産(仮想通貨)の取引で、所得の申告漏れや無申告が相次いでいる。国税庁は5年前に取引の利益を「雑所得」として確定申告の対象とし、取り締まりを強化。SNS上では「暗号資産同士の交換は非課税」といった誤った情報も出回り、認識不足から巨額の追徴課税を求められるケースもある。16日からは2021年分の確定申告が始まり、国税庁は適切な納税の周知に力を入れる。(葉久裕也)
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男性は2016年、ビットコインを購入し、他の暗号資産にも取引を広げた。17年末には1か月弱で保有するリップルの価値が約10倍に高騰し、資産価値は4億円以上に膨れあがった。一部は現金にしたが、大半は別の暗号資産に交換した。
交換分の申告が必要とは思わず、現金化した分を除いて確定申告しなかったが、昨年9月、税務署から申告漏れの指摘を受け、過少申告加算税を含む追徴税額は2億円以上になった。
男性は妻と幼い子どもの3人家族で、会社員としての年収は900万円程度。同12月に修正申告したが、保有する暗号資産の価値が大きく落ちていたため、現金化しても全く足りず、税務署に納税の猶予を申請中だ。男性は「働いて納められる金額ではなく、家族に申し訳ない」と話した。
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