天皇陛下が2月23日、62歳の誕生日を迎えられた。
誕生日に先立ち、21日に開かれた記者会見では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で苦しい状況に置かれた人々への思いや皇后雅子さまの体調などのほか、インターネット上の書き込みや週刊誌報道についても言及された。
2019年5月に皇位を継承し、天皇陛下として迎えられた3回目の誕生日。
会見では、皇室の歴史に触れ、「歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、研鑽(けんさん)を積みつつ、国民を思い、国民に寄り添いながら、象徴としての務めを果たすべく、なお一層努めてまいりたい」と決意を述べた。
皇后雅子さまの体調についても言及し、「いまだ快復の途上で、体調には波があり、大きな行事の後には疲れがしばらく残る傾向にあります。これからも無理をせずにできることを一つ一つ着実に積み重ねていってほしい」と述べた上で、「私の日々の活動を支えてくれる大切な存在であるとともに、公私にわたり良き相談相手になってくれています」と語った。
新型コロナウイルスの感染拡大については、「新型コロナウイルス感染症の影響により、国民の皆さんと広く直接触れ合うことが難しくなっていることを私も雅子も残念に思っています」と語り、「皆がお互いのつながりを大切にしながら、心に希望の火を絶やさずに灯(とも)し続け、更には、国や地域の境界を越えて人々や社会がつながり、お互いを認め合い、支え合える年になってほしい」と述べた。
会見では、2021年10月に結婚して皇室を離れためいの小室眞子さんに関連した質問もあった。
眞子さんは小室圭さんとの結婚に際し、複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断され、週刊誌報道やインターネット上での誹謗中傷が体調に影響を与えたとされる。
天皇陛下は「今後、幸せな人生を歩んでいってほしい」と述べつつも、「この間、多くの方に心配をお掛けすることになったことを心苦しく思っています」とも語った。皇室の情報発信のあり方については「皇室に関する情報をきちんと伝えていくことも大事なことと考えています」と述べた。
週刊誌報道やインターネット上の書き込みについては、「人々が自分の意見や考えを自由に表現できる権利は憲法が保障する基本的人権として誰もが尊重すべきものですし、人々が自由で多様な意見を述べる社会をつくっていくことは大切なことと思います」と述べ、「一般論になりますが」と前置きをした上で、こう語った。
「他者に対して意見を表明する際には、時に、その人の心や立場を傷つけることもあるということを常に心にとどめておく必要があると思います。他者の置かれた状況にも想像力を働かせ、異なる立場にあったり、異なる考えを持つ人々にも配慮し、尊重し合える寛容な社会が築かれていくことを願っております」
皇室の情報発信のあり方については2021年11月、56歳の誕生日に際して臨んだ記者会見で秋篠宮さまも言及。バッシングや事実と異なる報道などについて、「反論を出す場合には、一定のきちんとした基準を設けてその基準は考えなければいけない」「そういう基準作りをしていく必要が私はあると思います」との考えを示している。
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天皇陛下「他者の置かれた状況にも想像力を」。ネット上の書き込みや週刊誌報道について言及した
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