アンパンマンの仲間として知られる茶色い犬のチーズ。可愛らしい声が特徴的で、主要キャラクターの一匹だ。
そんなチーズが、実は「バイキンマンの手先だった」という衝撃の設定がネット上で話題を呼んでいる。
チーズは“裏切り者”だったのか?その真相を解き明かすため、過去の作品をたどった。
アンパンマンの原作者やなせたかし氏(2013年死去)は1970年代後半〜80年代前半、自身が編集長を務めた『月刊いちごえほん』(サンリオ)で漫画『アンパンマン』を連載。やなせ氏が描くアンパンマンの初期作品だ。
全71回の連載を収録した『だれも知らないアンパンマン やなせたかし初期作品集』(発行:フレーベル館、発売:復刊ドットコム)に、チーズの初登場シーンとみられる物語が掲載されている。
犬が苦手なアンパンマン。ある日、吠えて追いかけてくる犬から逃げ回っていた。
その様子を見ていたバイキンマンの子分は、アンパンマンの弱点が犬だとバイキンマンに報告。敵の弱みをつかんだとほくそ笑むバイキンマンは、「チーズ」という名の犬を連れてアンパンマンのもとへと攻撃に向かった。このチーズは、耳と目の周りが黒く描かれ、アニメ版のチーズとは見た目が異なる。
襲いかかってきたチーズだが、アンパンマンの仲間のバタコさんが食べ物のチーズを与えると、いとも簡単になびいてしまった。
さらに、チーズはあろうことか「ばいきんまんをやっつけろ!」というバタコさんの命令に従い、バイキンマンの後を追いかけた。
バタコさんを気に入ったチーズは、アンパンマンたちのもとで暮らすこととなった。
初期作品からは、チーズがもともとバイキンマンの手先だったこと、それにも関わらずバタコさんに手なずけられてバイキンマンを裏切ったことがわかる。
ただ、アンパンマン公式ポータルサイトでは、「チーズはどこから来たのですか」という質問に対し、次のように説明している。
「TV『それいけ!アンパンマン」の第一話で、森の中でおなかをすかせてないていたチーズを、アンパンマンが顔をあげて助けました。どこから来たのかはわかりません」
さらに、チーズの名付け親はバタコさんであると書かれている。
このように、『月刊いちごえほん』の連載で描かれていたチーズの過去と現在のアニメ版では、設定が異なっている。
『だれも知らないアンパンマン』の発行元であるフレーベル館は、ハフポスト日本版の取材に対し、「初期作品とアニメ版は混ぜこぜにしない方針」としてキャラクター設定に関して詳細をコメントしなかった。
知られざるチーズの“正体”に、ネット上では「衝撃すぎて震える」「過去いちで知りたくなかった事実かも」「子どもにこの事実を伝えるべきか」など動揺の声が広がっている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
アンパンマンのチーズはバイキンマンの手先だった?衝撃の過去、その真相は…