フィギュア女子、素敵な衣装の歴史。パンツスタイルで挑んだ選手もいる【画像集】

北京オリンピックは2月17日、フィギュアスケート女子シングルのフリーが行われる。

選手たちの芸術的な衣装は、その華麗な演技と共に、多くの人の記憶に刻まれてきた。

趣向を凝らした衣装は、時代の移り変わりも反映してきた。15日に行われたショートプログラム(SP)では、フィギュア女子ではまだ珍しいパンツスタイルで挑む選手もいた。

過去30年間ほどのオリンピックメダリストたちを中心に、衣装を振り返る。

1980〜1990年代

国際スケート連盟のルールでは衣装について「控えめで品位があり、競技に適切なものでなければならない」と定めている。アクセサリーや小道具をつけることは認められていない。

日本の伊藤みどりさんは5位に入った1988年のカルガリーで、黒地に金色の装飾が入ったシンプルな衣装でショート・プログラムに臨んだ。

銀メダルを獲得した1992年のアルベールビルではワインレッドの衣装を身につけ、フリーでオリンピック史上初めて女子選手としてトリプルアクセルを決めた。

カルガリーで銅メダルに輝いたアメリカのデビ・トーマスさんは、胸元にラインストーンが施された黒と赤の華やかな衣装が特徴的だった。冬のオリンピックでメダルを獲得した初めての黒人選手となり、歴史を作った。

1988年カルガリー 伊藤みどり

1988年カルガリー デビ・トーマス

1992年アルベールビル 伊藤みどり

2000年代

アメリカのミシェル・クワンさんは、1990年代後半から2000年代に活躍した。自国開催となった2002年のソルトレイクシティでは、ショート・プログラム(SP)で鮮やかな青い衣装、フリーでは真っ赤な衣装で出場。芸術的な演技で魅了した。

そのソルトレイクシティで金メダルを獲得したのがアメリカのサラ・ヒューズさん。軽やかなショートヘアにシンプルな衣装がよく似合っていた。

2006年のトリノで忘れられないのは、日本の荒川静香さん。SPではカッティングが入った赤い衣装を身につけた。代名詞とも言える「イナバウアー」を披露したフリーでは水色と青色の衣装を纏った。

2002年ソルトレイクシティ ミシェル・クワン

2002年ソルトレイクシティ サラ・ヒューズ

2006年トリノ 荒川静香

2010年代

2010年代は、日本の浅田真央さん、韓国のキム・ヨナさんという同世代の二人が台頭した。

キム・ヨナさんは2010年のバンクーバーで金メダル、2014年のソチで銀メダルを獲得した。ソチのSPでは黄色の可憐な衣装、フリーでは対照的に黒とワインレッドのシンプルな衣装を披露した。

浅田真央さんはバンクーバーで銀メダル、ソチでは6位入賞を果たした。

語り継がれるのが、「伝説のフリー」とも呼ばれるソチでの演技だ。SPではミスが続き16位に沈んだが、フリーでトリプルアクセルを成功させ、順位を上げた。

そのフリーでは青を基調とした力強いイメージの衣装を選んだ。圧巻の演技を終え、涙を流したのち笑顔で声援に応えた姿が印象的だった。

2018年の平昌では、アリーナ・ザギトワさん、エフゲニア・メドベージェワさんというロシアの10代二人が1、2位に入った。

2014年ソチ キム・ヨナ

2014年ソチ 浅田真央

2018年平昌 アリーナ・ザギトワ

2018年平昌 エフゲニア・メドベージェワ

平昌では、パンツスタイルの選手が話題となった。

フランスのマエ=ベレニス・メイテさんは団体戦の女子シングルSPで、ダークカラーのパンツスタイルに金色のスパンコールがきらめく衣装を身につけた

女子シングルではかつて、スカートの付いたレオタードを選ぶしかなかったが、国際スケート連盟はその規定を2000年代に変えた。

だが、大きな舞台で実際にパンツスタイルを選ぶ選手たちはそれほど多くなかった。メダルには届かなかったものの、メイテさんのクールなスタイルには、SNSで大きな反響が寄せられた。

そして今回の北京オリンピックでも、SPでスウェーデンのヨセフィン・タリエゴール選手が、黒いシンプルな「ユニタード」で競技に臨んだ。

APnewsによると、タリエゴール選手は選んだ理由について、音楽に合うことと、「力強く、自信を感じられるから」だと語った。結果は26位でフリーには進むことができなかったが、出場30人のうち唯一のスタイルを貫いた。

2018年平昌 フランスのマエ=ベレニス・メイテ

2022年北京 ヨセフィン・タリエゴール

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