26歳のフランス人選手は北京オリンピックの引退試合で、華麗に宙を舞った。寅年にちなんで、トラの模様が描かれた衣装に身を包んで……。
2月14日に行われたスノーボード女子ビッグエアの予選の一幕だ。
膝を痛めていたルシル・ルフェーブル選手はトリックを決めるのは諦めた。その代わりに別の行動に出た。トラの衣装で試合に出場し、最後のオリンピックを楽しんだのだ。
ルフェーブル選手はインスタグラムで、「スロープスタイルでは痛みを克服できたけど、ビッグエアの最初の練習では、痛みが強すぎてトリックできなかった。この試合に向けて数年間練習したジャンプをできないのは辛かったです」と振り返った。
その上でトラの衣装を着た理由を次のように書いた。
「しかし、競技に参加しないことは考えられませんでした。私に多くの物を与えてくれたこのスポーツに、そして私を信じてくれた全ての人々に、最後のお別れを言いたかったんです。だから、このスーツでジャンプをして、この瞬間を楽しもうと思いました」
AP通信によると、この衣装は前日、スイス代表のニコラス・フーバー選手から借りたものだった。フーバー選手は10日、インスタグラムにこの衣装を着た動画をアップして「中国の新年おめでとう、トラ万歳」と投稿していた。
ルフェーブル選手は3歳のとき、骨の成長を妨ぐ「骨軟骨症」と診断を受けて以降、3回の手術を受けている。
医師たちからはスポーツのことは考えるなと言われたが、ルフェーブル選手は「OK。それなら簡単なスポーツをしたいです」と言って、スノーボードを始めて、平昌と北京の2回のオリンピックに出場。今大会で競技生活を終えることを決めていたという。
ルフェーブル選手は最下位29位で予選落ちとなったが、世界中の注目を集めることになった。
AP通信に対して「今、世界はたくさんの問題を抱えています。だから、誰もが安心して気楽になれば、世界は間違いなく良くなると思うんです」とコメントしている。
https://twitter.com/gorinjp/status/1493086288844824583?ref_src=twsrc%5Etfw
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
トラの格好で宙を舞ったスノーボード選手。そこに込めた思いとは?【北京オリンピック】