気象庁によると、関東甲信地方では、2月10日から11日にかけて雪や雨が降り、大雪となるところがある見込みです。東京23区など関東の平野部でも5〜10センチの降雪が予想されています。
同庁は「予想より気温が低くなった場合には、警報級の大雪となるおそれがある」として、注意を呼びかけています。
10日6時から11日6時までに予想される24時間降雪量は、いずれも多い所で、
甲信地方 20から40センチ
関東地方北部 10から20センチ
箱根から多摩地方や秩父地方にかけて 10から20センチ
関東地方南部の平野部 5から10センチ
の見込みとなっています。(2月9日5時19分 気象庁発表)
気象庁は、今回の雪の予想に合わせて、
・大雪や路面凍結による交通障害
・電線や樹木への着雪
・ビニールハウスやカーポートの倒壊
ーーなどに注意するよう呼びかけています。
雪が降るとどんな災害が起こりうるのか、被害に遭わないために知っておきたい5つのケースをまとめました。
首相官邸によると、5つのケースを挙げています。
①除雪中の事故
②車による雪道での事故
③歩行中の雪道での事故
④雪のレジャーでの事故
⑤雪崩による事故
雪による事故の死者の多くは除雪中の事故によるもの。
特に、自宅などの建物の屋根の雪下ろしや雪かきなどの作業中に発生しているといい、高齢者の比率が高いことが特徴です。
1人ではなく、複数人で作業を行うよう呼びかけています。
雪が降っている時や、降った後に車を運転する際には、路面の凍結のほか、吹雪などによる視界不良が原因の事故に注意が必要です。
路面の凍結に注意すべき条件として、
・降雪が1cm以上あり、雪が降った後早い時期(おおよそ24時間以内)
・アイスバーン(氷のようになった路面)
・冷え込む夜間や朝方や日陰などは、凍っているように見えなくても路面に薄い氷の膜が張っている「ブラックアイスバーン」が起きる可能性
ーーを挙げています。
特に、車が発進や停止を繰り返すことによって、路面が滑りやすくなることがある「信号交差点」や「橋の上」、日陰になることが多い「トンネルなどの出入口」に気をつけましょう。
雪が少ない地域でも、積雪や凍結を原因とする転倒が多く発生します。首相官邸のまとめによると、事故が多く発生している滑りやすい場所は、以下の通り。
・横断歩道の白線の上
(乾いているように見えても薄い氷膜ができて、滑りやすくなっている場合があります)
・車の出入りのある歩道(駐車場の出入口、ガソリンスタンドなど)
(出入りする車のタイヤで路面上の氷が磨かれ、非常に滑りやすくなっている場合があります)
・バスやタクシーの乗り場
(踏み固められて滑りやすくなっている場合があります。また、歩道と車道との段差にも注意)
・坂道
(上りよりも下るときの方が滑って転びやすく危険)
・ロードヒーティングの切れ目
(雪や氷が融けておらず段差ができて、部分的に滑りやすい状態になっていることがあります)
転ばないように歩くコツはこちら
⇨危ない雪道、転ばないように歩くコツは?【注意ポイントまとめ】
スキーやスノーボード、冬山登山など、雪のレジャーでの事故も起きています。雪のレジャーが危険と直結していることを理解して、十分に準備をして楽しむよう呼びかけています。
冬山登山では、経験や準備不足などで、2015年以降、遭難者数が300人以上となり、2021年は400人を超えています。
雪崩から身を守るためには、前もって発生しやすいケースや危険な場所を知っておくことが重要です。
発生しやすい場所としては、
・急な斜面
(一般的に、スキーの上級者コースと同程度の30度以上の傾斜になると発生しやすくなり、特に35~45度が最も危険と言われています)
・「落石注意」の標識が設置など
(高い木が密に生えている斜面では雪崩が発生しにくい一方、低木林やまばらな植生の斜面では雪崩発生の危険が高くなります)
発生しやすい条件は、
・気温が低く、既にかなりの積雪がある上に、短期間に多量の降雪があったとき
・急傾斜で、特に雪庇(せっぴ)や吹きだまり(雪が風で吹き寄せられ堆積した場所)
・0度以下の気温が続き、吹雪や強風が伴うとき
・過去に雪崩が発生した斜面など
・春先や降雨後、フェーン現象などによる気温上昇時
・斜面に積雪の亀裂ができている場所
などが挙げられます。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
雪で起こりうる5つの災害とは? 関東甲信地方で「警報級の大雪となるおそれ」