2月7日に開催された北京オリンピック・ジャンプ混合団体では、5人の選手がスーツ規定違反で失格となり、ジャンプが無効になった。
大舞台での予想していなかった展開に、違反になった日本の高梨沙羅選手が涙を流す場面もあった。
高梨選手の他にスーツ規定違反と判断されたのは、ドイツチームのカタリナ・アルトハウス選手、オーストリアのダニエラ・イラシュコ=シュトルツ選手、そしてノルウェーのアンナ・オーディン・ストロム選手、シリエ・オプセト選手。
全員が女子選手で、スーツに規定の幅を超えるわずかなゆとりがあったことを指摘された。
アルトハウス選手は試合後、国際スキー連盟(FIS)を激しく批判している。
ニュージーランドヘラルドによると、同選手はドイツのスポーツ通信社SIDに「オリンピックで(女性にとって)2つ目の競技ができてとても嬉しかった」と述べた上で、次のように語った。
「今回の運営で、FISはすべてをぶち壊しました。私は彼らが女子のスキージャンプを壊したと思います。彼らが何をしたいのか、私には理解できません」
「私は11年間のスキージャンプ生活で、何度も検査を受けてきましたが、一度も失格になったことはありません。私のスーツは、規定範囲内だったと思います」
アルトハウス選手はInstagramでも、規定違反に対する失望をコメントしている。
スカイニュースの翻訳によると「今日の決定に言葉を失っています。この結果、私たちのスポーツが台無しになりました。アスリートと彼らの夢が壊されました。私は11年間、一度も規定違反になったことはありません。とてもショックですし、理解できない」とつづった。
ガーディアンによると、ノルウェーのオプセト選手も「ただショックです。今日何が起きたのか全くわからない」と失望と戸惑いを表した。
しかしオプセト選手は、Instagramに投稿した頭を抱える写真に「大荒れのオリンピックのスタートになりました。だけど頭を上げます。明日は新しい日、新しいチャンスがある。混合団体は初めて導入されたプログラムです」という前向きなメッセージを添えている。
ドイツチームコーチのシュテファン・ホルンガッハー氏は、相次ぐ規定違反を「操り人形劇のようだ」と批判。「非常に怒っているし、理解できない。私たちは素晴らしいジャンプをしたのに、ただ落胆させられた」と怒りを表明した。
ホルンガッハー氏によると、アルトハウス選手は5日に行われたスキージャンプ女子ノーマルヒルの試合にも同じスーツを着て臨んだ。ただし「その後に体重が落ちたのかもしれない」と説明している。
また違反とされた5人のうちの1人、ノルウェーのアンナ・オーディン・ストロム選手は、いつもと違う方法でスーツを測定されたと話している。
「これまでのやり方と同じではありませんでした」「隔離されていて、1週間きちんとした食事ができていなかったことも少し関係しているのかもしれません」
オリンピックのスキージャンプでは、男子はラージヒルとノーマルヒル、団体があるが、女子はノーマルヒルと混合団体のみ。女子選手にとっては、この混合団体が最後の出場機会だった。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
スーツ規定違反になった独選手「女子のジャンプをぶち壊した」FISを強く批判【北京オリンピック】