開会式を前に、一部の競技が始まった冬季北京オリンピック。
2月4日からはフィギュアスケート男子団体の戦いが始まり、日本は先陣を切って宇野昌磨選手が出場した。宇野選手の演技終了後のコメントが「素敵な人柄がうかがえた」などと話題となっている。
いったい、どんな言葉だったのか。
フィギュアスケート男子団体。日本はアメリカやイタリアなど世界の強豪国としのぎを削る。チームとしての“団体戦”という面では、1人(もしくは1組)の演技の出来栄えにもプレッシャーが掛かる戦いだ。
予選最初の種目は男子シングルのショートプログラム。2大会連続でこの戦いに挑んだ日本の宇野選手は自己ベストを更新する105.46をマークして2位に入った。これは、アメリカのネイサン・チェン選手の111.71に次ぐ高得点だった。
演技だけでなく試合後のインタビューも注目を集めた。宇野選手はまず自身の演技についてこのように振り返った。
「このショートプログラムを構成どおりに成し遂げられたのはたぶん数年ぶりで、ようやく練習通りの状態で、高ぶりすぎず、不安になりすぎず、平常心のまま最後まで滑り切ることができました」
その後、インタビュアーから“団体戦”という意味でチームに勢いをつける演技だったのではと問われると、以下のように語った。
「1番最初ということで、日本スケート男子はすごく(メダル候補として)有力だと認知していたので、迷惑をかけたくないという思いもあったんですけど、ただ、後ろ向きな気持ちで試合に臨むことだけは絶対に避けたいと思っていた。しっかりそのあたりは(気持ちを)切り分けることができ、ダメだったら真剣に謝ろうと思っていました。でも無事に出来てよかったなと思います」
このコメントについて、Twitterでは「素敵な人柄がうかがえた」「人生全てにおいて使える金言」「誠実さが表れていた」と称賛する投稿が相次ぎ、反響を呼んだ。
さらに、宇野選手は「オリンピックは特別な大会だと分かっています」と前置きした上で、「僕のスケート人生はまだまだ続けるつもりで。もっともっと成長したいという気持ちが今はあります」とコメントした。
オリンピックの舞台では実績のある選手は当然のようにメダルの獲得を期待され、その重圧とも戦う。メダルには確かな価値はあるが、一方で、出場するそれぞれの選手でオリンピックへの臨み方や目標は異なる。
競技を観る我々は、なによりもまず、選手自身が納得できるパフォーマンスができることを願うべきだろう。宇野選手のインタビューは大切なことを大会の序盤に示してくれた。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
フィギュア男子・宇野昌磨選手、演技後のコメントがグッとくる。「ダメだったら真剣に謝ろう」が伝えてくれたこと