金融教育の普及や業界の発展をめざす一般社団法人「日本金融教育推進協会」が1月20日、発足した。
お金の専門家や民間企業、NPO法人、大学生など幅広い立場から金融教育を推進する一般社団法人は、初めてとみられるという。
「お金」にまつわる知識や金融リテラシーの重要性はこれまでにも指摘されており、2022年4月からは、高校の家庭科で「投資教育」として資産形成についての授業が始まる。
こうした「金融教育」への関心が高まる中、協会は、「誰もが平等に金融リテラシーを身につけ、活用できる社会に」という思いを持った個人や団体が集まり、設立されたという。
一方で、「『金融教育』という言葉だけが独り歩きし、定義や範囲が曖昧、広範で、より多くの人に届けるための金融リテラシーのガイドラインが未整備であるため、適切で、かつ等身大の『金融教育』を全ての人に行き渡るようにするためには、より大きな連携を図っていく必要がある」とも指摘。
協会は、金融教育の活性化に向けて、適切な教育を受けられる機会の創出やガイドラインの作成ーーなどに取り組むとしている。
【活動内容】
協会の代表理事を務めるのは、お金の専門家・金融教育活動家として発信を続けている横川楓さん。
なぜ協会を立ち上げようと思ったのか、その思いをたずねた。
ーーなぜ社団を立ち上げようと思ったのでしょうか?
今年4月から高校の家庭科で資産形成の内容が組み込まれることとなり「金融教育」が注目されていますが、金融教育元年とされているのは、なんと17年前。実は今までも、私たちに向けた金融教育は行われていたのです。
ですがお金の専門家として活動している中で、「お金の教育なんて受けてこないまま大人になった」という声をたくさん聞いてきました。学校の教育にカリキュラムとして組まれ、ただ機会があるというだけでは、決してきちんとした教育が提供されているとは言えません。
等身大のお金の専門家としてお金のリテラシーを伝えてまいりましたが、私一人の力だけでは届けられる範囲も限られており、適切な金融リテラシーをたくさんの人に届けられる大きなムーブメントを起こすために組織の必要性を強く感じていたところ、社会の変化に伴い、ここ数年で金融教育や金融リテラシーの普及を掲げ、金融教育に取り組む企業やインフルエンサーが増え、同じ志を持つ仲間が増えたことに気が付きました。
そこで今回、今年4月の資産形成のカリキュラム導入というターニングポイントを迎えて、誰もが平等に金融教育を受ける機会を持ち、体系的に必要な金融リテラシーを身につけることができる社会にすべく、民間企業、NPO法人、学生など、たくさんの方々と協力し、ここからさらに基盤づくりとその活性化を図っていくために、社団の設立に至りました。
ーー今後に向けては
お金の知識ほど、知っているかいないか、そして活用できるかできないかで選択肢が変わるものはありません。
日本全体の金融リテラシーの底上げを促進することで、金銭的格差や不平等の是正にも取り組みながら、「お金の教育を受けたことがない」という人が1人でも減るように、金融教育並びに金融リテラシーの普及を推進していきます。
また、若いメンバーで構成されていることも当協会の強みの一つ。お金との向き合い方を等身大の目線で伝えていけたらと思います。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
「お金の教育なんて受けてこないまま大人に…」そんな人を減らしたい。金融教育の普及をめざす団体が発足