トンガの子どもたち、東日本大震災の被災者へ寄付していた。「少しでも役に立ちたい」

大規模な噴火の影響で津波が押し寄せ、街が浸水する様子が報じられている南太平洋のトンガ。噴火から一夜が明けてもトンガのほとんどの地域で電話やインターネットがつながらない状態が続いており、現地の詳しい被害状況は明らかになっていない

こうした中、2011年の東日本大震災の発生後、トンガ政府や市民から日本の被災者に対し、義捐金などの寄付をされていたことが再び関心を集めている。

外務省は同年3月25日の報道発表で、東日本大震災が発生したことに対し「トンガ政府から、義捐金20万パアンガ(約900万円)の寄付がありました」と報告している。

さらに、トンガの国王陛下らからの弔意のメッセージも届いたとして、「我が国は、トンガ政府及び国民の我が国に対する連帯の念及び多大なる支援に深く感謝します」と、謝意を示していた。

里芋やコイン寄贈

トンガによる日本の被災者へのエールは、政府からの寄付にとどまらなかった。

外務省の公式サイトによると、2011年4月、被害者支援のために提供される里芋などが、生産者からトンガ政府に渡された。生産者代表は当時、「トンガでは誰もが被災者の皆様が一日も早く元気を取り戻すことを願っている」などと述べていた。

里芋は、「トンガより愛をこめて」とのメッセージとともに現地の港から出荷。日本への里芋寄贈には、カボチャの生産者やトンガ政府、輸送会社なども協力していたという。

さらに2011年5月には、現地のバオトゥ小学校の校長と生徒らが日本大使館を訪問し、義援金を手渡していた。

外務省のサイトによると、同行した人民代表議員のアイサケ・エケ氏は、日本での大災害に生徒たちが心を痛め、「少しでも被災者の方の役に立ちたい」と寄付を募ったことを説明。「すべてのコインに生徒たちの気持ちがこもっているので、どうか受け取っていただきたい」と話していた。

このほかトンガ・日本帰国留学生会は、活動資金集めを目的にイベントを開催する予定だったが、東日本大震災の発生を受け、イベントで得られた資金の半分を義援金として寄付することを当時決めたという。

「恩返しの時」「無事を祈っている」

トンガ王国とは、どんな国なのか?

外務省のデータによると、面積は720平方キロメートル、人口は約10.4万人(2019年)で、公用語はトンガ語と英語だ。1845年にキリスト教とのトゥポウI世がトンガを統一し、1900年にイギリスの保護領となる。1970年にイギリスから外交権を完全に回復したという歴史を持つ。

農業や林業、漁業、自動車関連を主要産業としており、日本は主要援助国の一つになっている。

突然の大規模噴火で、街に津波が押し寄せたトンガ王国。東日本大震災の頃に現地の人々から受けた寄付や温かいメッセージが、時を経て注目を集めている。

ネット上では「小学生たちがみんなで集めたコインはきっと日本の復興に役に立ってる。ぼくたちも出来ることを」「トンガの方々の無事を祈っています」「募金BOX見かけたら絶対に募金する」「トンガへの恩返しの時」などの声が上がっている。

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