高槻やよいが、高槻市の「ふるさと納税0円問題」を解決したって本当?「アイマス」キャラが観光大使になった理由、調べてみた

アイドル育成ゲーム「アイドルマスター(アイマス)」の人気キャラクター・高槻やよいさんが1月13日、大阪府高槻市の「たかつき観光大使」に任命された。

今後、同市のPR活動を行うほか、限定グッズも販売するという。

高槻やよいさんが観光大使に選ばれたのはなぜなのか、経緯を取材した。

たかつき観光大使に就任した理由

高槻やよいさんは、「アイドルマスター」に登場するアイドルのキャラクター。

高槻やよいさんが「たかつき観光大使」に就任した背景について、市観光シティセール課の担当者は、「高槻やよいさんと高槻市は、『高槻』と『弥生(やよい)』という名前の部分で、強い結びつきがあります。

高槻市にはかねてから、アイマスのファンである通称『プロデューサー』さんが、いわゆる『聖地巡礼』に来てくださっていました。こういった貢献を今後もしていってほしいという思いもあり、観光大使をお願いしました」と説明する。

観光の盛り上がりを受け、市観光協会が4〜5年ほど前から交渉していたという。

聖地巡礼で多くの人が行くのが、外食チェーンストア「やよい軒 高槻店」や、「弥生が丘町」という地区の近くにある「弥生橋」。写真撮影などを楽しむ人も多いという。

また、弥生時代の集落の遺跡がある「安満遺跡公園」が2021年3月に全面オープンした。PRをしていく上で、「高槻やよいさんが良いのではないか」という意見も多くあったという。

ふるさと納税の問題を解決したって噂、本当?

1月12日、観光大使の就任が報じられると、SNS上では「プロデューサー」からは「おめでとう」「頑張れ!」など、激励の言葉が相次いだ。

Twitterでは、「大阪府高槻市でふるさと納税の寄付が7年連続0円で問題に。2016年、返礼品に『高槻やよいグッズ詰め合わせ』を用意すると即品切れ。22年に観光大使に」といった内容のツイートが拡散。

「ヲタクが経済を回した一例」「高槻市担当者天才やな」といった反響で盛り上がっている。

この話、本当なのか。

ふるさと納税を担当する担当者は、「ふるさと納税が始まった2009年度から15年度まで、書面上ではふるさと納税が0円だったことは間違いありません。

ですがそれは、市では15年度まで、返礼品を伴うふるさと納税の取り組みをしていなかったからです」と説明する。

その間、法人などから寄付は複数寄せられていた。だが、返礼品を伴わない寄付であったため、総務省には0円で報告しているという。

高槻市が、返礼品を伴うふるさと納税を始めたのは16年度からだ。

担当者は「ですから、インターネットで言われている、市が7年連続ふるさと納税が0円の問題を抱えていたという指摘や、高槻やよいさんがふるさと納税の問題を解決し、観光大使になった、というニュアンスは正確ではありません」と話す。

一方で「高槻やよいさんには大変感謝しております」と語る。

同市は16年度、高槻やよいのグッズ詰め合わせを20点、返礼品として用意した。

1回3万円と高価なものだったが、5月27日に寄付を受け付けると翌日に完売したという。

担当者は「今後も、プロデューサーの皆様には高槻やよいさんと一緒に、高槻市を盛り上げていただけたら嬉しいです」と話す。

今後の活動は?

高槻市観光協会によると、本格的な活動は1月20日から。

高槻市観光協会事務所と安満遺跡公園に等身大パネルを設置し、アクリルスタンド(1500円)や、クリアファイル(400円)、缶バッチ(300円)などのオリジナルグッズを販売。安満遺跡公園内の飲食店2店舗では、指定メニューをオーダーすることで、オリジナルコースターやランチョンマットがもらえるキャンペーンを実施する。

また、1月20日発行の冊子「オープンたかつき」の表紙に掲載するほか、同日からアプリ「たかつき観光アプリ」のスタンプラリーをクリアすることで、オリジナル壁紙がダウンロードできるという。 

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Takeru Sato