妊娠9カ月。スーパーでおばあさんに助けられた話が心温まる

外出先で抱っこをせがみ、泣き出す3歳の息子。困っていた時、通りがかりの人が見せた優しい気遣いに助けられた――。

そんな体験を描いた漫画が、ネット上で話題を呼んでいます。

作者は、イラストレーターの佐々木奈菜さん(@sasaki_77)。2022年の年明けに、3歳の長男とスーパーに出掛けたときの出来事でした。

「おかーさん!がっこ(抱っこ)!がっこ!」

長男は抱っこをするよう求めてきました。

佐々木さんは妊娠9カ月目。買い物中にお腹の張りと痛みを感じ、息子を抱え上げられそうにありません。

「今お腹痛くて抱っこできないわ」「ぎゅ〜でガマンして…」

佐々木さんは息子をなだめようとハグしましたが、息子は「がっこがいい!!がっこー!」と収まりません。

「がっこ〜!がっこ〜〜!!あ〜〜〜〜」

体調が優れず、どうしても抱っこすることができない佐々木さん。泣き出す息子に困っていました。

そこに、買い物中の年配女性が通りかかりました。

「お母さんは今、お腹に赤ちゃんがいるからね…ばーちゃんでがまんしてね」と言い、息子を抱きかかえてくれました。

佐々木さんとその女性は初対面。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を気遣ってか、女性は息子と向かい合うのではなく後ろから抱っこしてくれていました。

抱き上げていたのは、時間にしてわずか数秒間。それでも、息子はびっくりして一瞬で泣き止みました。

「ありがとうございました」

佐々木さんはお礼を伝え、その場で女性と別れたそうです。

◇ ◇

当時、長男はどのような様子だったのでしょうか。

佐々木さんは「いつもはここまで泣くようなことはないのですが、この時はよっぽど抱っこしてほしかったみたいです」と振り返ります。

長男の体重は14キロ。「小柄なおばあさんでしたし、重かっただろうなと思いますが、持ち上げてくれました」(佐々木さん)

スーパーでのエピソードを漫画で描こうと思った理由について、佐々木さんは「おばあさんが抱っこの後もスマートに去っていかれたので、感謝の気持ちが収まらず、漫画に描いて残しておきたいなと思ったからです」と明かします。

「あの時はお腹が張って本当にしんどかったのですが、ほんの少しの抱っこで息子が途端に泣き止んでくれたので、とても助かりました。コロナ禍ということもあり、他人との接触に敏感になる部分もあると思いますが、接触もできる限り少なくしてくださっているようだったので、とても気遣ってくれているんだなと感じました」

漫画をTwitterやInstagramで公開したところ、「優しい世界」「おばあさんの勇気ある行動に拍手」「現場にいたらきっとうるうるしてる」といったコメントが寄せられています。

佐々木さんは漫画が反響を呼んでいることについて、「おばあさんへの賞賛のコメントが多く届き、うれしくなりました」と話しています。

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