「容器も食べられたら」その要望を50年越しに実現。『桔梗信玄餅』新商品が「最高じゃん」と話題

きな粉がまぶされたお餅に黒蜜をかけて食べる、山梨の銘菓「桔梗信玄餅」。

容器ごと食べられる「桔梗信玄餅 極」が12月24日に新発売され、話題になっている。

蓋とカップをプラスチック製から「もなか」に変更したもの。丸ごと食べることができるのだ。

SNSでは「最高じゃん」「革命なのでは」などと反響が広がった。

約50年前に寄せられた消費者の要望がきっかけで生まれたという。販売する「桔梗屋」(甲府市)に聞いた。

相性の良さ、強度、価格…実現までに約50年

担当者によると、開発のきっかけは1968(昭和43)年に桔梗信玄餅を発売した当初まで遡る。

当時の社長のもとに日々感想が届く中で、「容器も食べられるようにしてほしい」という声も寄せられた。それ以来、「食べられる容器」を模索し続け、現在の中丸純・社長がそのアイデアを引き継ぎ、商品化に至ったという。

ただし、容器を決める過程では苦労も。

お餅やきな粉、黒蜜と相性ピッタリの「もなか」を採用することにしたものの、その強度を高めることや価格、作業性の問題もあり、なかなか実現に至らなかった。担当者は「従来の桔梗信玄餅の需要にこたえるための努力もありましたので、発売までに約50年かかりました」と説明。

プラスチック削減の効果も期待できそうだが、消費者の声をもとに実現を目指してきた経緯を踏まえ、「容器まで食べられるので、包装資材が減り、結果的には環境対策にも繋がるのかとは思いますが、あくまでお客様に喜んでいただきたいという思いが強いです」と答えた。

「桔梗信玄餅 極」は3個入り700円、8個入り1800円(ともに税込)。現在は、山梨県の一部店舗の店頭のみで、各日数量限定で販売している

今後については「桔梗屋各直営店を始め、県内外の店舗にも順次販売を行っていきます」としている。県外のファンも楽しめる日が来そうだ。

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Kaori Sawaki