ベネディクト・カンバーバッチ、“有害な男らしさ”めぐり「男性の振る舞いを正していく必要がある」

イギリスの俳優ベネディクト・カンバーバッチ氏が、現地メディアのインタビューに応じ、「有害な男らしさ」をめぐって「男性たちの振る舞いを正していく必要があります」などと自身の考えを語った。

カンバーバッチ氏は、Netflixオリジナル映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』で主役を演じた。威圧的だがカリスマ性に満ちた牧場主の役だ。日本語で「有害な男らしさ」と訳される『トキシック・マスキュリニティ(Toxic Masculinity)』は、本作のテーマの一つでもある。「男性は人に弱みを見せてはいけない」「強くなければいけない」といった「男らしさ」を押し付ける社会的な圧力を指す。

カンバーバッチ氏はSky newsのインタビューに、「男性たちの振る舞いを正していく必要があります」「そのエンジンを覆う蓋を、少し持ち上げる必要があるんです」と語り、「有害な男らしさ」を打ち破るために男性たち自身が行動を変えていくことが大切との考えを示した。

さらに、カンバーバッチ氏は「『すべての男性が悪いわけではない』という子どもじみた自己防衛的な弁解のような反発がくることがありますが、そうではなく、ただ黙って聞く必要があります」と主張した。

インタビューでは、虐待の問題にも言及。カンバーバッチ氏は社会が「虐待や不利益がどれだけあるかを十分に認識できていない」と指摘。その上で「今後どこかのタイミングで、この映画が描いているような、(男性の)抑圧的な行動の背景にある理由を調べるということに私たちは取り組む必要があります」と訴えた。

映画は全国の一部の劇場で公開が始まり、12月1日からはNetflixでも配信される。

「有害な男らしさ」をめぐっては、カナダの人気シンガーソングライターのショーン・メンデス氏も過去のインタビューで「不安を引き起こしていた原因のほとんどが、有害な男らしさでした」と自身の体験を告白。「だけど、そういった感情を受け入れ、涙を流し、感情を解き放つことこそが本当の強さだとわかったんです」と明かしていた

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