2: 名も無き被検体774号+ 2021/11/06(土) 13:13:45.41 ID:+5GX4z3N0
当方女
3年前に結婚したんだけど、義母はなんというか、口や態度には出さないけど息子を取られたってオーラを常に出してるタイプの人だった。
私の旦那は長男でその下に弟が2人いる。
なのに義弟達の彼女には凄くにこやかでいいお母さんって感じで振舞ってた。
だから、仲良くなりたいって気持ちもあって、旦那の実家は近距離にあるので、旦那が仕事の時は一人で行ったりしてた。
ちょこちょこ義母と話してくれてはいたけど、どことなく壁があるって感じだった。
旦那の実家は駐車場が50mくらい離れたとこにあって、1分弱くらい歩くんだけど、車に忘れ物があると取りに戻るのが面倒臭いから忘れ物ないように確認してから車から降りてた。
その日も忘れ物を確認したけど、たまたまスマホの充電があんまりない事に気付いて、車に積んであった充電ケーブルを手に持って車を降りた。
今日は何を話そうかとか考えながら旦那の実家の門の前まで来た。(旦那の実家は玄関から門まで10mくらいある)
そしたら玄関の引き戸が半開きになってる事に気付いた。
この時門も半開きになってたけど、門が半開きはよくある事だったから気にならなかった。
何となくこっそり玄関の引き戸に近付くと、見覚えのない男の声がした。
そろっと覗いてみると、男が玄関の扉に背を向けて義母に何かを言っている。語気も強かった。
男の背中越しからチラッと見えたものに頭が真っ白になった。
その男は、包丁を義母に突き付けてた。
どうしようどうしようって一生懸命考えてた時、男が義母を切り付けた。
義母は腕で頭を庇ってたから、腕を切り付けられてたんだけど、それを見た時に何かがプツっと切れた。
倒れた男は驚いて一瞬固まったものの、包丁を持ったまま暴れだした。
切りつけてこようとするけど、私にとっては義母が刺されたりする事の方が嫌だった。
近くにある傘立てとか、玄関に飾ってある義母の手作りの人形とかが地面に落ちるのを見てまた頭に血が上るのを感じた。
怖かったけど、それ以上に怒りの方が勝ってた。
昔柔道やってたせいか、ハイヒール履いてても体幹がしっかりしてるから、掴まれたりしても大してふらつかなかった。
でも、包丁持ってたから離させないとって思って右手を狙って何度か掴んだけど無理やり解かれて、私の腕には切り傷がいくつか出来てた。
そこからもう、どれだけ切り付けられてもいいからこいつだけは捕まえないとと思って、外に走り出した男を追いかけると、男は門の前にある石畳?の段差に躓いて、前のめりに転んだ。
勢い余ったのか頭から血が出てふらふらと立ち上がろうとしたところ背中からのしかかってやろうと思ったら、私も同じところで躓いて、男の上にのしかかる感じで転んだ。
男はぐえって声を出して大人しくなった。
この時男はやんわり抵抗していたけど、弱々しかった。
義母がスマホを持って血まみれの腕のままタオルを持って駆け寄ってきた。
何か言ってたけど覚えてない。大丈夫ですか?って言うのが精一杯だった。
しばらくその男の横で義母が私の傷口を抑えてくれたまま呆然としていたけど、気付いたらサイレンの音と一緒にパトカーと救急車がやってきた。
緊急手術することになって入院することが決まって、警察がきて旦那が泣きながら来てくれた。
警察にも旦那にもしこたま叱られた事は覚えてる。
危ない事はするなと死んでいたかもしれないと何度も何度も言われた。
義母は病室の外で警察に状況を説明しているらしかった。
そのあと義母は、私のベッドの側でずっと泣いていた。
旦那も泣いていた。
私は疲れて寝てしまっていた。
義母と夕食の買い出しに行かなきゃ
続き
目が覚めたら節々が痛くて傷が傷んだ。
救急車に運ばれたのが16時頃で、手術後、翌日の15時まで眠りっぱなしだったらしい。
顎から肩にかけての大きな切り傷は50針縫ってて、他の切り傷も何針か縫ってた。
他にも打撲とかしてたみたいで、身体中痛かった。
義母はずっと私が起きるまで傍にいたみたいだった。
義母は私を嫌ってたはずじゃ?と不思議で仕方なかった。
起きたら警察に連絡しないといけないけど、落ち着いてからでいい。気持ちが落ち着いたら教えて欲しいと言われて、もう大丈夫です、というと、義母は電話をしに病室から出ていった。
そう言えば、私も旦那に連絡しなくちゃと思ってスマホで旦那に電話をかけるとワンコールなりきる前に直ぐに出た。
○○?おきたの?!大丈夫?!って凄く心配してたのが分かって、申し訳なくなった。
大丈夫だよって返事をしたら、すぐ行くから!って言われてこれから警察来るみたいだからって言いかける前に電話は切れていた。
30分くらい調書?を取られた所で、義母が病室に入ってきて、怪我してるし起きたばかりで負担になるから程々にしてくださいって警察に小言を言った。
警察はそれじゃ今日これでって素直に帰って行った。
義母がまた病室に入ってきて、ごめんなさい、とぽつりと言った。
私はなんで謝るんですかって、怪我はしちゃったけど無事でよかったですって言った。
また義母が泣きながら色々話してくれた。
長男と結婚した私を快く思っていなかったこと、姑は若い人にとっては疎ましいものだと思っていたこと、義母は壁を作っていたのに仲良くしようとする私が理解出来なかったこと、義母が歳をとって面倒を見てもらわないといけなくなった時に疎ましく思われると思っていた事。
でも、私は義母を守らなければと戦ってくれた。
これは覚えてなかったんだけど、犯人の横でぼーっとパトカーを待ってた時、義母がなんでこんな事したの!って私に怒鳴ったらしいんだけど、旦那の大切な人だからですって答えたらしい。
それで、義母は自分の思い込みがいかに偏ってるかを思い知ったらしい。
正直、そんなことで嫌ってたのか?って思ってしまった。
命を掛けられるほど息子や私を大切に思ってくれている人だと思わなかった。
私は○○の存在を軽んじてしまっていた。
本当に申し訳ない。
としゃくりあげながら言っていた。
号泣する義母にどうしたものかとオロオロしていると旦那が駆け込んできた。
旦那もガーゼまみれの私を見て号泣していた。
小一時間号泣する親子にオロオロしたままだった。
警察に話すことは全部話して、慰謝料とかその後の対応は旦那に任せた。
結局1ヶ月入院したけど、その間の荷物とかお見舞いの為に義母は毎日来てくれた。
私のせいで怪我したからこの位は当然だと、旦那にも私が受け取らないだろうからと、分厚いお見舞い金を渡したらしい。
暫くは仕事を休めと言われて、パートをかけ持ちしていたのを辞めた。
この事件はニュースになるんでは?と危惧したけど、地方新聞の隅っこに小さく書かれただけだった。
義母の怪我は縫うほどではなかったらしい。
私の傷は残ったけど、傷跡が完全に塞がりきってから医療整形できるのか様子を見ることになった。
近所の中年ニートは、義実家が地元では割と大きな家に住んでいるから=金持ちと考えたらしくて、義父が仕事に出てる時は義母が1人でいることを2週間くらい前から義実家周辺をうろうろして確認していたみたい。
私が義実家に遊びに行ったりすることは、ちょうど私が行ってない時間にしか確認していなかったので知らなかったらしい。
近所の中年ニートは、実家から仕送りをもらって一人で暮らしてたみたいなんだけど、お金さえあれば人生が立て直せると思ったらしくて犯行に至ったそう。
中年ニートは無事に壁の向こう。
強盗未遂、障害、器物破損。
少なくとも23年は出てこないらしい。
中年ニートのご両親からは8桁の慰謝料を振り込まれた。
この事件から1年くらい経つんだけど、毎月ニートのご両親から様子伺いの手紙と時々果物が届く。
高齢な両親からそうやって気にかけて貰うのは気の毒なんだけど、義母が年寄りは何か償うような行為を続けていないと、逆に追い詰められて自○とかしてしまうかもしれないから好きにさせておきなさいと。
旦那も義母も最初は、中年ニートの両親からの連絡で私の精神的ショックを心配してくれてるんだけど、正直全然そういうのなかった。
黒い格好したニット帽マスクの人を見るとドキッとするくらい。
義母はこの事件から、旦那&義弟×2>私だったのが、私>旦那&義弟×2になった。
ランチやおやつ作り、ディナーや旅行も一緒に行くようになった。
前に旅館に泊まった時は、傷に効く音泉で私の傷を気にして露天風呂付客室の部屋を取ってくれたりしている。
今振り返ってみると大変だったなぁと思うんだけど、当時は義母と仲良くなれたことの方の違和感が凄かった。すぐ慣れたけど。
今では義母と一緒に義母の友人に会ったりすると、うちの一人娘は命より大切なのよって言ってくれる。
慰謝料もらったけど、なんとなく使いづらいなぁと思いながら、義母に自分の貯金で某ブランドの大判ストールをプレゼントした。
思い出話は以上です。
来月から傷の治りが良かったみたいで、医療整形できそうってお医者さんに言われたから、記念に書き込んでみた。
見てくれた人ありがとう。
暖かい言葉をくれた人達ありがとう。
旦那の大切な人は私の大切な人と思ってるから、冷たかった義母の事も守ってあげられたんだと思ってる。
どんなに私が義母を嫌いだったとしても、旦那の悲しむ顔が見たくない一心で助けてたと思う。
引用元: https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1636171727/
オリジナルサイトで読む : GAMAG
【号泣】命がけで義母と仲良くなった話が感動すぎて泣くwww