アメリカ司法省は11月4日、投票の権利を制限するテキサス州の州法が連邦法違反だとして、同州を提訴した。
この州法は、共和党議員が多数を占めるテキサス州議会で8月に可決され、9月にグレッグ・アボット知事が署名した。
施行日は12月2日の予定だが、司法省は「州法は有権者の権利を不法に奪うものだ」と主張している。
テキサス州の新たな州法では、24時間投票やドライブスルー投票が禁じられるなど、投票に関連して様々な制限が加えられた。
その中でも、今回の訴訟で司法省が問題視しているのは、障害のある人などへの支援の厳格化と郵便投票をめぐる規定だ。
新たな州法では、障がいのある有権者が投票所で支援を受ける際に、様々な条件を満たさなければならなくなった。
司法省はこの規定が「障がいのある人や読み書きができない有権者にとって不利になる」と主張している。
また、郵便投票を利用する際には、申請書と投票用の封筒の両方に、運転免許証番号または社会保障番号の下4桁のいずれかを記入することが求められ、その番号は投票者ファイルのデータと一致しなければならない。
この条件を満たしていない場合、郵便投票が拒否される可能性があり、司法省は「事務手続きのミスで、有権者が投票の権利を奪われかねない」と指摘している。
一方、法案を導入したテキサス州の共和党員議員は「州法は不正投票を防ぐために必要だ」と主張している。
しかし、2020年の大統領選挙を含む最近の選挙で、ドナルド・トランプ前大統領や共和党議員が主張していた不正投票はなかったことがわかっている。
メリック・ガーランド司法長官は「我々の民主主義は、有権者が投票用紙を投じる権利と、その投票用紙が数えられる権利によって成り立っています」と声明で述べ、投票権を守る姿勢を示した。
アメリカでは、テキサス州の他にも19の州で選挙権を制限する法案が可決されており、司法省は6月にも、同様の州法を巡ってジョージア州を提訴している。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。
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