外国人技能実習制度は廃止するべき?人種差別を禁止する法律は必要?
衆院選の投開票日(10月31日)が近づく中、NPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」は、移民政策に関する政党アンケートの結果を公表した。
調査結果からは、外国人技能実習制度や入管の長期収容、人種差別を禁止する法律の制定など、日本で暮らす外国人の人権問題をめぐる各党の姿勢の違いが浮かび上がった。
アンケートは全部で12項目。調査対象は、自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党、社会民主党、日本共産党、日本維新の会、れいわ新選組、沖縄社会大衆党の9党。9月7〜30日にかけて実施した。
質問項目と回答の一部を紹介する。公明はいずれの項目も無回答だった。
自民と国民は「どちらとも言えない」と回答。それ以外の6党は「賛成」と答えた。
れいわは「止む無く収容する場合にも収容の目的を法律に明文化することで全件収容を取りやめ、実質的に無制限の収容を可能にする法律の欠陥も是正するべき」としている。
共産は、入管収容中に死亡したウィシュマさんのケースに触れて「ウィシュマさんは収容ではなく、DV被害者として真っ先に保護されるべきでした」と指摘。「全件収容主義は当該外国人にとっても、施設運営上も弊害が多い」として、即時廃止を訴えた。
劣悪な労働環境が指摘されてきた外国人技能実習制度について、自民、国民、維新は「どちらとも言えない」を選択。それ以外の5政党は「賛成」と回答した。
「どちらとも言えない」と答えた国民は、「活力ある日本社会の実現には、外国人労働者が必要であり、その能力が存分に発揮され、国民との協働・共生が地域社会や生活の現場においても推進されることが大前提」と説明している。
「賛成」の立憲は「人権侵害や労働法令違反の頻発が続いている外国人技能実習制度は抜本的に見直さなければならない」と指摘。外国人労働者の権利を保障するため、「新たに外国人労働者雇用認可制度(仮称)の創設を目指す」とした。
「賛成」は社民、共産、れいわ、沖縄。「反対」は自民、維新。「どちらとも言えない」は立憲、国民の2党。
社民は「長年日本に住み納税など日本人と同じ生活を営んでいるにもかかわらず、地域の課題について定住外国人が関与できないのは不合理」と指摘した。
一方、「反対」の維新は「安全保障上の観点からも、国政・地方を問わず、外国人に対する参政権付与は認められない」との考えを示した。
自民と維新は「どちらとも言えない」と回答。それ以外の6党は「賛成」と答えた。
自民は「現在、個別法に基づくきめ細やかな人権救済が行われているものと考えています」との見方を示した。
「賛成」と答えた沖縄は「日本の現状を見れば、あらゆる人種差別撤廃の基本法が必要である」と主張した。
移住連は、アンケート結果を踏まえ、移民の人権保障に対する各党の立場の違いを分析。
・自民は消極的もしくはあいまいな姿勢
・立憲は比較的積極的な考え
・国民と維新はあいまいな姿勢
・社民、共産、沖縄は積極的な考え
をそれぞれ示した、と結論づけている。
このほか、「移住労働者権利条約への批准」「国内人権機関の設置」といった、アンケート全12項目の回答は移住連の公式サイトで見ることができる。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
技能実習制度は廃止すべき?移民の人権保障、政党間で温度差。移住連がアンケート公表