知的障害を持つ人たちの親らでつくる一般社団法人「全国手をつなぐ育成会連合会」は7月18日、東京オリンピック開会式で作曲担当を務める小山田圭吾さんが過去に「いじめ加害者」だったと告白していた件について、声明を発表した。
同連合会は小山田さんの行為について、「極めて露悪的と言わざるを得ません」と抗議。「オリンピック・パラリンピックを楽しめない気持ちになった障害のある人や家族、関係者が多数いることについては、強く指摘しておきたい」と批判し、小山田さんや大会組織委に対して「真摯な説明が求められます」とつづった。
大会への参加については、小山田さん本人が謝罪をしていることなどから、「参加取りやめまでを求めるものではありません」とした。
小山田さんは、「ロッキング・オン・ジャパン」1994年1月号のインタビュー記事などで、学生時代にいじめをしていたことを告白。SNSで記事の内容が拡散し、小山田さんは「開会式へ不快な印象を与えてしまうことを心から申し訳なく思います」と謝罪した。
報道を受け、「全国手をつなぐ育成会連合会」は公式サイト上に声明文を掲載。
3つの問題として、(1)「障害の有無に関わらず、いじめや虐待は許されるものではない」こと、(2)「小山田氏の行為は極めて露悪的である」こと、(3)「なぜ小山田氏が楽曲提供担当となり、留任させることにしたのか」という点について見解を示した。
連合会は小山田さんの行為について、「わざわざ高名な音楽雑誌のインタビューで面白おかしく公表する必要性はなかったはずです」と指摘し、「極めて露悪的と言わざるを得ません」と抗議。インタビューでの発言について、「明らかに障害者を差別的に揶揄している部分も各所に見受けられ」ると批判した。
オリンピック憲章は、「いかなる種類の差別も許されない」とうたっている。連合会は、小山田さんがこのような憲章を掲げる大会開会式の楽曲提供に応じたことについて、「理解に苦しみます」とも指摘。その上で、「まったく公式な説明を行っていない東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会には、重い説明責任があります」ともつづった。
オリンピックの開幕は、23日と間近に迫っている。
小山田さんが事実を認め謝罪していることなどから、連合会としては、楽曲制作への参加取りやめを求めることはしないという。
一方で、「今般の事案により、オリンピック・パラリンピックを楽しめない気持ちになった障害のある人や家族、関係者が多数いることについては、強く指摘しておきたい」とコメント。
「小山田氏が露悪的であったことも含め心からの謝罪をしたのか、それとも楽曲提供に参画したい一心でその場しのぎで謝罪をしたのか、本会としては小山田氏の言動や東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の動向について、今後も注視してまいります」と締めくくった。
声明全文はこちらから確認できる。
Source: ハフィントンポスト
小山田圭吾さんに「理解に苦しみます」と指摘。障害者の親らでつくる団体が声明