新型コロナウイルスワクチンの接種歴を公的に証明する「ワクチンパスポート」の申請受付が、7月26日から各市区町村で始まる。ワクチンパスポートとはどんな物なのか。現時点で分かっていることをまとめてみた。
ワクチンパスポートは、世界各国で導入の動きが相次いでいる。欧州連合(EU)は7月1日から電子版のワクチンパスポートの運用を開始。保持者はEU内を自由に渡航できるようになった。アメリカのハワイ州も8日、ワクチンパスポートで渡航者の事前検査などを免除する対象地域を州内から、全米に広げている。
加藤勝信・官房長官は7月12日午前の記者会見で、 日本でも「ワクチン接種証明書」という名前で、ワクチンパスポートを導入することを明らかにした。 海外渡航目的のワクチンパスポートの申請を7月26日から各市区町村で受け付ける。日本から一部の国や地域へ渡航する際に、個別の申請に基づいて発行するという。
申請できるのは、防疫措置の緩和などが認められる国や地域に渡航する場合に限る。対象となる国・地域は今後、外務省の公式サイトで随時公表する。
接種当時に住民票があった市区町村に対して、申請書や旅券、接種済証などの添付書類を提出することで申請する。交付までにかかる期間について、加藤官房長官は「各市区町村にご確認いただきたい」とした上で、「即日交付できる場合もある」とした。
ワクチンパスポートの発行は無料。ただし、郵送で申し込みをする場合は郵送代を申請者が負担することになるという。
6月25日に内閣官房が実施した自治体向けの説明会の資料では、ワクチンパスポートのイメージ写真を掲示。7月のスタート時点では、紙での申請で紙での交付となる。資料には、電子申請や電子交付のプランも掲載されているが「開始時期未定」となっている。
ワクチンパスポートをめぐっては、各国内で活用する動きも出てきている。アメリカ・ニューヨーク州のイベント会場では、州が発行するワクチンパスポートアプリ「Excelsior Pass」の提示を求めるケースが多いという。
こうした動きを受けて、日本経済団体連合会(経団連)は6月24日、ワクチンパスポートの早期活用を求める提言を発表した。
その中では、国内での活用例として、飲食代金や利用料の割引や各種ポイントの付与などの特典▽国内移動、ツアーでの活用▽イベント会場、施設等への入場時の制限や要件の緩和▽介護施設や医療機関の面会制限▽イベントの開催制限--などの緩和を求めていた。
一方で、加藤官房長官は12日午後の会見で「接種の強制、あるいは接種の有無による不当な差別的な取り扱いは適切ではない」として、ワクチンパスポートの国内での活用には今のところ慎重な姿勢を見せていた。
Source: ハフィントンポスト
ワクチンパスポートとは何か。受付開始はいつから?申請できるのはどんな人?