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高橋留美子「私は永遠の“中2病”なんです」 どの年代にも普遍的に面白いと思える魅力を編集者が語る

1: まんがとあにめ 2021/07/04(日) 14:27:30.68 _USER9

https://bunshun.jp/articles/-/46484

高橋留美子さんが『週刊少年サンデー』で連載中の『MAO』が熱い盛り上がりをみせている。『MAO』の立ち上げから関わっている担当編集の「モリケン」さんこと、森脇健人さんに、高橋作品と高橋さん本人の魅力についてお聞きした。

抜粋
──『犬夜叉』や「人魚シリーズ」もダークな側面があります。『MAO』は設定やキャラクターは『犬夜叉』に似ている部分もあるように感じますが、なぜ「呪い」をテーマに描かれたのですか。前作の『境界のRINNE』が学園コメディーだったので、あえてシリアスな方向に絞ったということでしょうか。

森脇 最初は、安倍晴明のライバルの蘆屋道満(あしやどうまん)に興味があるということで、彼をテーマにしたストーリーも考えていたそうです。でも、昔読んだ中島らもさんの『ガダラの豚』というアフリカ民族の呪術をテーマにした小説が面白かったという話から、「閉鎖された社会と呪術」で盛り上がり、「呪い」をテーマに構想が固まっていきました。

──生と死を真っ向からとりあげた「人魚シリーズ」も、かなりシリアスな内容でした。『うる星やつら』で、コメディーアクションに親しんでいた読者には衝撃でしたが、結果として「るーみっく・わーるど」がさらに広がったように思います。

森脇 高橋先生の作品は毎回新しいファンが生まれています。同年代の男性ファンを獲得した『うる星やつら』の後の『らんま1/2』では、小中学生など若いファンに向けた作品を描かれました。「人魚シリーズ」は今でも人気作品のひとつですが、先生のなかには、常に新しい読者を楽しませたいという気持ちがあるんだと思います。

──せっかく獲得したファンにウケないかもしれない作品を描くことは怖くないのでしょうか。

森脇 「自分が中高生の時に漫画にたくさん楽しみや喜びをもらったので、中高生が楽しめる作品を描き続けたい」という思いが高橋先生の中に強くあります。よく「私は永遠の“中2病”なんです」と冗談交じりで言っていますが、少年漫画家に大切な要素って、実はこの「中2病」の心なんです。夢のある話を描けるかどうかは少年誌漫画の大事な要素で、先生がそれをずっと持ち続けていられるのは、ある意味「永遠の“中2病”」だからという部分があるような気がします。

コロナ前に『犬夜叉』の声優さんたちと宮古島に旅行に行った時、学校の隣に使われていない焼却炉を見つけたことがありました。

僕らは「古くて汚い焼却炉」としか思わなかったんですが、先生はその焼却炉に興味を持ち、「どんな構造になっているんだろう」「どんなドラマがあったんだろう」と妄想して「もしかしたらこの焼却炉でこういう小学生の二人が……」と、1本短編が描けるような「ストーリー」を語り出したんです。同じ体験をしているのに、先生はそこにドラマ性を感じてひとつの面白いエピソードを生み出せるんだ、と衝撃でした。そういう部分をお持ちになっているということが、先生のおっしゃる「永遠の“中2病”」ということなんだろうなと思います。

──作品を「面白くする」原動力は、想像力だと。

森脇 加えて、膨大なインプットです。高橋先生はとにかくいろいろな作品をご覧になっています。週に1回は本屋に行き、いま連載しているものから人気の作品まで、漫画、小説、雑誌問わず全部購入して読んでいるので、すごいなあといつも思っています。

──高橋さんの作品は「古びる」ということがないように感じます。昔の作品を今読み返しても面白いですし、大人から子どもまで面白いと思える作品を描き続けるのは、想像力を磨き、絶え間なくインプットもされているからなのですね。

森脇 小学生のファンの方から「お父さん・お母さんの本棚にあって読んだらはまってしまいました、すごい大好きです」というファンレターをいただくことが多いんですけど、これは、どの年代にも普遍的に面白いと思えるものを描いていらっしゃるからだと思います。ここ最近は、「お父さん・お母さん」だけでなく、「おじいちゃん・おばあちゃんの本棚にあって……」というのもあるので、全方位網羅しているなというのは感じます。

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Source: まんがとあにめ
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