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劇画家、さいとう・たかをさん(84)の劇画「ゴルゴ13」の単行本201巻が5日、リイド社から刊行される。
「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」のギネス世界記録を持つ秋本治さん(68)の漫画
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(集英社、全200巻)を巻数で超え、〝世界一〟の記録を更新する。
今月中旬には、半世紀以上連載する同作史上初のスピンオフ作品も始動。
「気が付けば201巻、ただただ読者の皆さまには感謝の気持ちでいっぱいです」。
さいとうさんが繰り返し語るのは、読者への感謝の言葉だ。
読者あっての201巻
「さまざまな分野に詳しい脚本家や協力者の協力があって、これまで600話を超えるストーリーを描くことができました。
私ひとりでは描けて10話だったでしょう。スタッフの分業制もしっかりと機能して、これまで多くの劇画を
生み出すことができました。そして何よりも、ゴルゴをいつも楽しみにしてくれている読者の皆さんの存在あってこその
201巻です。感謝しかありません」
産経新聞の書面インタビューに応じたさいとうさんは、世界記録の更新について、こうつづった。
さいとうさんは昭和30年にデビュー。制作過程を分業制にした「さいとう・プロダクション」を設立し、
劇画というジャンルを確立した。43年、青年漫画誌「ビッグコミック」(小学館)で、国籍不明のA級スナイパー・
デューク東郷の活躍を描いた「ゴルゴ13」を連載開始。連載スタートから半世紀以上。累計発行部数は3億部を超える。
「連載50年もたつと、社会情勢や世の中の価値観などは変化します。その時々の〝今〟を切り取った作品でもある以上、
そのリアリティーを表現するためにも描写演出的に変化はあったと思います。ただ、ゴルゴを描くうえで、
その時代時代の常識や善悪の解釈には左右されまいという、特にそれだけは気をつけてきました」
「締め切りは必ず守る」
今年でデビュー65年超。漫画界、劇画界の第一線で執筆を続けられた理由については、次のように語る。
「まずは心構えでしょうか。私の場合、本質的に仕事としてこの世界に入ってきたんです。
よく何十年も同じことしていて飽きませんか、なんて聞かれることもありますが、農家が米を作るのに飽きたとか、
麦を作るのに飽きたって言ったらどうなるでしょうか。私はそんな気持ちで、生業として劇画を描き続けています。
描き始めた当時から、この業界は絶対に伸びると思っていましたからね」
「また、約束を守ることも大事です。締め切りは必ず守る。かつて誌面が少なかった時代に、
いつ連載が終わるかもわからない状況で、休んだり、締め切りを守らなかったりすることはありえませんでした。
長く連載を続けるためには、これも大切だと思いますね」
「ゴルゴ13」を50年以上連載する中で、さいとうさんは一度も休載をしたことがなかった。
ところが、昨年のコロナ禍を受け、スタッフの健康を守るために初めて新作の掲載見合わせを決めた。
あれから1年あまり。執筆や制作スタイルは変わったのだろうか。
「コロナ前では、昼過ぎ頃から仕事を始める典型的な夜型でしたが、今は効率をさらに上げるため、
できるだけ朝からのスタイルに変え、分業体制で制作しているスタッフに合わせて私も午前中から動くようにしています。
作品のクオリティーを高めるためにも、良い効率化を図れているかと思います」
最新201巻の副題は「最終通貨の攻防」。仮想通貨をテーマにした表題作など3編が収録される。
今後の目標は―。
「続けられる限り、体力が持つ限り描き続けたいです。『ゴルゴ13』は私の作品であると同時に、
読者のものでもありますからね。いつも待ってくれている読者のために、一話一話ひとつずつやっていきたいと思います」
初のスピンオフ始動
小学館の「ゴルゴ13」担当編集者である夏目毅さんは、同作の魅力についてこう語る。
「50年超の歴史がある中で、その時々の時事ネタや国際的事件など常に新しい要素を取り込んでおり、飽きない。
新聞をめくる感覚で良質のエンターテインメントを楽しめる。その一方で、(作中の)ゴルゴ自身にはブレがありません。
ゴルゴという軸がしっかりしているからこそ、(読者は)安心して読むことができるのだと思います」
※以下、全文はソースで。
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Source: まんがとあにめ
「ゴルゴ13」が“世界一”更新へ 5日に第201巻刊行