あんな赤い外車に乗ってる人は、こんな田舎町ではあの人しかいない
37才の女性は14時18分、和歌山県和歌山市の自宅アパートから、取り乱した声で119番通報をしていた。
「娘の意識がない!呼吸がない!家に帰ったら娘が倒れていて血のような黒いものを吐いています!」
和歌山市消防局の話。
「すぐに現場に到着しましたが、そのときも母親はかなり動揺している様子でした。ほかに4才の女の子と40代の男性がいて、すでに16才の女の子は心肺停止状態。腹部を中心に、アザがあったと救急隊から聞いています」
自宅で亡くなっていたのは鶴崎心桜(こころ)さん(享年16)。アザや外傷は古い傷と新しい傷の両方が確認され、日常的に虐待を受けていた疑いが持たれている。検視の結果、死因は外傷性ショックだった。医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広氏が推察する。
「通報で“血のような黒いもの”と話していることから、腹部への暴行で胃が破裂し出血して、血液に含まれる鉄分が胃酸と混じって酸化したと思われます。肝臓などの内臓も破裂し、体の内側の腹腔で出血している場合は、出血多量の末の外傷性ショックとなります。それほどの強い衝撃が外から加わったのでしょう」
自宅にいた男性は、病院で物言わぬ長女に付き添ったのち、当日夜、カフェイン剤を大量摂取して自殺を図ろうとしたが、通行人の通報によって救急車で搬送された。6月15日現在、心桜さんへの虐待の疑いについて、和歌山県警が男性の聴取を進めている。母親は、4才の次女を連れ、救急車を追うように車を発進させたが、行き先は病院ではなく、関空の連絡橋だった──。
そもそも、16才の少女に暴行を加える、もしくは死に至るまで見過ごす家庭環境とはどのようなものだったのか。
「あんな赤い外車に乗ってる人は、こんな田舎町ではあの人しかいないですよ」
そう語るのは、現場周辺の住民。
「でも、だからといって派手な印象があるわけではないし、逆に優しそうな夫婦なんです。ふくよかな奥さんと線の細い旦那さんは仲がよさそうで、近所のスーパーで買い物中は女の子と手をつないだり、家の前で家庭用プールで遊んだり……。でも心桜さんを見たことはなかったですね。赤い車でも、奥さんが運転席、助手席に旦那さん、後部座席に小さな女の子というのが定位置でした。3人家族じゃないのね?」
近所の誰にも記憶されていなかった心桜さんが意外な角度から注目を浴びたのは、事件発覚から4日後の6月13日。彼女が、23年前に和歌山市で発生した毒物カレー事件で、死刑判決が確定した林眞須美死刑囚にとっての初孫だったと報じられたのだ。そして、橋から海へ飛び降りた37才の女性が、眞須美死刑囚の長女の久美さん(仮名)だった。眞須美死刑囚の夫の健治氏(76才)が語る。
「一報を聞いて、警察署にこっちから行ったんですよ。それでも、私は一目も娘と孫の顔を見てやることもできんのです。警察はひどすぎます。こっちが娘かどうかということを聞いているのに、『まだ捜査中なんで、お伝えできない』とだけ。親の気持ちをまったく考えていない。親としては苦労ばっかりかけたと思います。まさか、こんなことになるとは……」
https://news.yahoo.co.jp/articles/4450683fc6b8eb29c8e4acdd64e8bff93e68a340
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Source: エクサワロス
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