地球から遥かに離れた不毛の惑星“火星”を目指す旅はすでに始まっています。
イーロン・マスク率いるスペースXが火星への有人飛行を計画していることは既に明らかですし、米国、ロシア、中国は火星に無人探査機を送り込むことに成功しました。
そんな中、デザイン・スタジオ「HASSELL」が「火星に居住地を建造する」ためのコンセプトCGを公開しています。
地球のように厚い大気も、酸素もない火星。宇宙空間から降り注ぐ放射線をいかに防ぐか、気圧をどう調整し人間が呼吸できる酸素で満たした空間を作るか、といった課題を解決しないと人類はここに住めません。
さらに地表には凄まじい砂嵐が吹き荒れるため、これに耐えられる強度をもった建物が必要です。
HASSELLが当初考えたのはこのようなドーム状の建物。これなら放射線と砂嵐を防げますが、建物の内部と外部の気圧の差により損傷が生じるリスクが高まるとのこと。
そこで追加されたのが、ドーム状の居住空間。
放射線と砂嵐を防ぐための頑丈でラフな外壁と気圧を維持し酸素で満たすための精密な内壁(ドーム)の2重構造となっています。
まずは居住地をつくるための無人ロボットが現地に送り込まれます。
火星に上陸するロボット。
パンクレス・タイヤを使用しているようです。
それぞれのロボットはこんな形。一輪でありながら『セグウェイ』のように自律的にバランスをとって走行できます。
さらに、複数のロボットが集まり“群れ”をなすことで異なるタスクにも対応可能。
こちらはシェルターをつくる素材となる砂を掘り出すためのモジュール。
ロボット群が地表に展開した様子は以下の通り。
測量を行なっているようです。
砂を掘り出しに行くロボット。
ドラムを回転させながら火星の砂を集めています。
集められた砂はそれぞれの建築用モジュールに渡されます。
砂はそれぞれのモジュールの中で高温に加熱して液状にされたあと、3Dプリンターのような感じで建物の形に流し込まれていきます。
こうして地表にシェルターができていきます。なお、このコンセプトCGでは、シェルターの完成までに3年もの間ロボットが自律的に建築を続けるという壮大な計画が描かれています。
シェルター(放射線と砂嵐を防ぐ外壁)が完成すると、いよいよ人が送り込まれます。
整列をするロボットたち。
合体したロボットモジュールが巨大な居住区の運搬を始めます。
コンボイをつくって移動。居住区が離れているのは、着陸時の事故に建物が巻き込まれないようにするため。
シェルターの内部はこんな感じ。
自動で展開する居住用ドーム(内壁)。
ドームは連結することで、寝室や実験部屋、農場などとして使われます。
こちらは作物をつくっているドーム内部の様子。
実験室。
快適そうな居住空間。
こうして、人類は火星に居住地を作るという壮大な計画を進めていくのでした……
これらはデザインコンセプトのため、実際にこの作業を行うペイロード(積荷)を火星に送れるのかといった疑問はありますが、想像をかきたてられるストーリーであることは間違いありません。
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Source: AppBank
火星で“無人ロボットの群れ”が人類の居住地を建造する壮大なコンセプトCG