「自然破壊」と批判殺到。代々木公園で東京五輪関連会場建設へ、樹木の剪定作業が始まる。

東京オリンピック・パラリンピックのパブリックビューイング会場のために、代々木公園の木の枝を切るのを止めて下さい――。

パブリックビューイング会場建設と、代々木公園の木の剪定の中止を求める署名キャンペーンが立ち上がっている。

5月22日夜に始まった署名キャンペーンは、24日午後0時時点で1万4200筆以上が集まっている。

またTwitterでは「#代々木公園の木々をオリンピックから守りましょう」というハッシュタグが作られるなど、剪定と建設中止を求める様々な意見がSNSに投稿されている。

東京2020ライブサイト計画

東京都の実施計画によると、東京オリパラのパブリックビューイング会場「東京2020ライブサイト」は、東京・渋谷区の代々木公園と、武蔵野市と三鷹市にまたがる井の頭公園に建設される。

代々木公園では6月1日から建設工事が始まるが、工事準備のために、1部のエリアで高さ4メートルもしくは高さ8メートル以下の枝を切る作業が、5月24日から始まっている。

ライブサイトには大型ビジョンやスクリーンが設置されて競技のライブ中継を実施する他、様々なイベントが開催され、展示ブースや飲食物の販売ブースなどが設けられるという。

元々の計画案では3万人を超える国内・海外からの観戦客を迎える予定だった。しかし新型コロナウイルス感染症が拡大しているため、計画を変更して人数制限などを設けるという。

 

もし東京オリパラ開催期間中に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが出されていた場合には、Jリーグやプロ野球など他のスポーツイベント同様に、国や自治体が定めたガイドラインに沿って人数制限などの対策を取る、と東京都は話す。

しかし署名キャンペーンを立ち上げた経営コンサルタントのロッシェル・カップ氏は、新型コロナ感染症を抑えようとしている時に、わざわざパブリックビューイング会場を作ることを疑問視する。

同氏はキャンペーンサイトで「変異株の影響でコロナ感染が拡大しつつあり、ワクチン接種の進捗率が遅い中で、パブリックビューイング会場を作って何千人もの人を集めるという行為自体が賢明ではありません。コロナの影響により、五輪中に日本に訪れる外国人は激減するため、パブリックビューイング会場の必要性もありません。そして、たった数週間のために多くの木を剪定して、形を永久的に変える必要はあるのでしょうか?」と訴える。

共感を得ることを目的としているが…

東京都によると、東京オリパラが万が一中止になった場合はパブリックビューイングもなくなるが、現時点で国やIOCなどが開催準備を進めているため、それに向けてパブリックビューイングの準備も進めなければいけないという。

またオリンピックの開催日まで残り60日しかないため、これ以上先延ばしにすることは難しい、と東京都の担当者は話す。

東京都はパブリックビューイングの目的を「都民や国民の共感を得て、大会を成功させること」としている。

しかし、様々な世論調査でも「中止」や「再延期」が「開催」を上回っており、開催中止を求める署名キャンペーンも35万筆以上が集まっている。

こういった状況で、パブリックビューイングのための工事が進み、憩いの場所である代々木公園の枝が枝が切られることに、共感よりも反発が広がる結果になってしまっている。

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Source: ハフィントンポスト
「自然破壊」と批判殺到。代々木公園で東京五輪関連会場建設へ、樹木の剪定作業が始まる。

Satoko Yasuda