自民党の会議で「道徳的にLGBTは認められない」「LGBTは種の保存に背く」などの差別発言があったことに、批判が高まっている。
性的マイノリティのための法整備を求める全国連合会「LGBT法連合」は5月21日、緊急声明を発表。
発言が「オリンピック憲章違反である」と指摘した。
オリンピック憲章は「オリンピズムの根本原則」の第6項で、「性的指向」などの理由による「 いかなる種類の差別も受けることなく」と、こうした差別を明確に禁止している。
しかしTBSによると、5月20日に開かれた自民党の会議で「道徳的にLGBTは認められない」「人間は生物学上、種の保存をしなければならず、LGBTはそれに背くもの」という発言があった。
さらに前日の会議では、山谷えり子議員が「体は男だけど自分は女だから女子トイレに入れろとか、アメリカなんかでは女子陸上競技に参加してしまってダーッとメダルを取るとか、ばかげたことはいろいろ起きている」と、トランスジェンダー当事者を中傷する発言をしたと報じられている。
一連の発言について、LGBT法連合は「事実だとすれば、当事者ばかりでなくその家族や友人など関係する人びとをも傷つけ、その存在を否定する、到底看過することのできない発言だ」と強く批判。
さらに「オリンピック・パラリンピックの開催をめざす中で、またその大会においてトランスジェンダーも含めたLGBT当事者の選手の参加も見込まれる中で、このような発言があったのだとすれば、明らかなオリンピック憲章違反であり、開催国として国際的な問題にも発展しかねないと考える」と、発言を問題視した。
問題の発言があった20日の会議では、「LGBT理解増進法案」の審査が行われていた。
この法案は、超党派の「LGBTに関する課題を考える議員連盟」が14日に合意したもので、法案の目的に「性的指向および性自認を理由とする差別は許されない」と書かれている。
成立すれば日本で初めて性的指向・性自認について定めた理念法になり、東京オリンピック・パラリンピックを前に成立の機運が高まっていたが、逆に自民党の審査で、差別を助長するような発言が飛び出すことになった。
LGBT法連合は「このような状況こそが、差別をなくすための法律が必要な立法事実であるということを重ねて指摘せざるを得ない」とも指摘している。
発言をめぐって、撤回と謝罪を求める署名キャンペーンも始まっており、21日午後5時時点で4万8000人以上が賛同している。
Source: ハフィントンポスト
自民党会議のLGBT差別発言は「オリンピック憲章違反」。LGBT法連合が声明発表