オリパラの開催是非、日本の選手たちの見解は。錦織圭や新谷仁美らが重い口を開いた

7月に迫った東京オリンピック・パラリンピックの開催是非について、日本代表に内定した選手や出場を目指すアスリートたちが、重い口を開き始めている。

開催地の東京で緊急事態宣言が延長され、コロナ収束の兆しが見えない中で開催することへの疑問や、日常生活を制限されている不満などから、中止を求める声は強くなっている。

その矛先が直接向けられるケースや、メディアから見解を問われる機会も増えたことで、選手たちはこれまで以上に向き合うことを迫られている。

中村知春選手(ラグビー7人制の女子代表候補)

ラグビー7人制の女子日本代表候補で、五輪出場を目指す中村知春選手は4月23日、Twitterで「東京オリンピック・パラリンピックをやりたい。 と声を大にして言えないのは、それはアスリートのエゴだとわかってるから」と心境を吐露。

開催の判断や責任を担う立場にある人たちに向けて「安全・安心の環境を作るからやる。じゃなくて、 今、社会としてオリンピック開催に挑戦する“意義“を、 温度のある言葉で世間に説明し続けてほしい」と注文した。

池江璃花子選手(競泳・メドレーリレー代表など)

競泳のメドレーリレーなどで代表に内定している池江璃花子さんは5月7日、大会出場辞退を求めるSNSのコメントやメッセージに対して、「苦しい」と胸中を明かした

「このコロナ禍でオリンピックの中止を求める声が多いことは仕方なく、当然の事だと思っています」と理解を示した上で、寄せられた声の中に「非常に心を痛めたメッセージもありました」ともツイート。

「この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです」と心境を打ち明けた。

新谷仁美選手(女子1万メートル代表)

女子1万メートル代表に内定している新谷仁美選手は5月9日、テストイベント「陸上・READY STEADY TOKYO」に参加した際、会場だった国立競技場の外で、オリパラ開催中止を求めるシュプレヒコールが巻き起こった。

新谷選手は、そうした批判や不安の声を正面から受け止め、競技後に報道陣に次のように語った

「彼らも国民。私たちアスリートは国民の理解と応援、サポートがあって成り立つ職業だと思う。無視して競技するだけなら、それはアスリートではない。応援してくれる方だけと向き合うのでは、胸を張って日本代表とはいえない」

また報道陣から、競泳・池江選手の投稿を踏まえて、反対の声への受け止めを問われると、こう答えた

「いや、苦しいですよ。正直、今年に入ってからはやっぱり振る舞い方を考えています。五輪開催に関して、命より大事なことはないので命を優先的に考えてほしいという思いもあります。ただ、アスリートとしてどういう答えが望ましいのかというのはわからない」

大坂なおみ選手(テニスシングルス代表)

大坂選手は5月9日、オリンピック・パラリンピック開催について、危険を伴うのなら「議論すべきです」と語った。

イタリアで行われたツアー大会の試合後の会見で、オリパラ開催について自身の見解を問われた大坂選手。

アスリートとして「もちろんオリンピックは開催して欲しいと思っています」と前置きした上で、懸念を表明した

「しかし、とても重要な出来事がたくさん起きています。特にこの一年はそうでした。予期せぬことが起きたと思います。もしオリンピックが人々を危険にさらすのであれば、そして人々が開催を居心地悪く感じているのであれば、私たちは今すぐに議論すべきです」

錦織圭選手(テニスシングルス代表)

同じ大会に出場していた錦織選手も5月10日、試合後の記者会見で、オリパラ開催について「もっと議論するべきだ」と大坂選手の考えに同意した

感染防止対策について、IOCや日本側がどんな議論がしているのか分からないと断った上で「死者がこれだけ出ている、ということを考えれば、オリンピックは死者を出してまでも行われることでは無いとは思う。究極的には1人も感染者が出ないような時にやるべきかなと思う」という考えも明かした

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Source: ハフィントンポスト
オリパラの開催是非、日本の選手たちの見解は。錦織圭や新谷仁美らが重い口を開いた

Rio Hamada