《ニナンナからヤノメへ。旅の道中も到着後もフシは刺激を獲得し続けた》
《マーチ パロナ ピオランと共にとらわれの身となったフシは意識を持ち》
《それによる情報の蓄積がこの先フシに何をもたらすのだろうか?》
「この水路から荷馬車の部屋の前へ行ける。おばあさん、マーチと先に行って下さい」
「少し切り取ってもらうだけだよ。ニナンナに持ち帰ってオニグマは死んでもう儀式は必要ないって村の人たちに知ってもらうんだ」
『切り取るなんて酷いわ!』
「酷い?あはっ こいつはもう死んでるんだぞ。これから焼かれて灰になるというのに…」
『でもかわいそうだわ!』
「今すぐおばあさんと一緒に行くんだ。そのご褒美にいいものをあげる」
「オニグマが死んだと証明できれば儀式で死ぬ子供もいなくなる。これからはマーチみたいな子を出さずに済むんだ」
『でもこのクマさんはオニグマじゃないわ』
「じゃあこう考えてみよう。クマさんはマーチみたいなかわいそうな子供を救うために死んだ。二度と儀式を起こさないために死んでくれたんだと…」
『そんなの勝手よ!この子はただの大きくて怖いくまさんよ!この子には関係ない!』
「違うよ。マーチはまだ子供だから分からないだけなんだ…あっ」
「…そんな顔するなよ」
『ねーねはどうしてわらってるの?』
「わ、私はただ…」
パ「私はやる。命を利用しなくても成し得るんだということを証明してやる」
『これね、ありがとうのご馳走よ。あとでねーねにあげたいの。絶対に秘密よ』
「マーチは大人になったら何がしたいんだ?」
『大人になったらできる全部のことをやりたいわ』
『まずはお料理。これができなきゃママになれないでしょ。そしていつか子供ができたらねーねみたいにぬいぐるみを作ってあげたいわ』
『あと言葉をもっと覚えて文字もいつか覚えたいわね。ニナンナに文字を作ってもいいかも』
『とにかく今知らない全部のことを知りたいわ。大人になるって知っていくってことでしょ?』
『もちろんふーちゃんあなたも一緒。一緒に知って一緒に大人になっていくの』
「犬を渡しなさい。そうすれば命は助けてあげます」
「断る!」
『この子はわたしたちの子どもよ。マーチがママであなたがパパよ』
『マーチはねーねーのために死ぬ…?』
「えっ…違うよマーチ。お前は村に帰って大人になるんだ」
「嫌だ!それはお前の夢だろう?お前がママにならなきゃだめだ…そうだろう?」
「さぁできた。ほらこれでもう大丈夫。あとはもう帰るだけだ!」
『うん…』
「なんだ一体!?」
「オニグマ様だ…オニグマ様が怒ってらっしゃる!」
『ありがとう。マーチのために戦ってくれたんだな。でももう大丈夫。その必要はなくなった』
『マーチ いつもごめんな仕事で遅くなって。でも今日は特別だ』
『あらあらお前たちかわいそうに。ママがごはん作ってあげるわね』
『ヤダヤダヤダ死にたくない!マーチはここよ!死んでないわ!』
『やりたいことまだたくさんあるのに!マーチまだなんにもやってないのに!』
「この現実を受け入れてのうのうと生きられるほど私は器用じゃない」
「パロナちゃん!みんな捜していたのよ!半年も何をしていたの!?」
「そうだ…渡さなきゃ…手紙を預かってるんです』
「テガミ?」
「なんてことだ…親である僕が…マーチを守るべきだったのに…」
『目的はきっとお前だ。逃げるんだフシ。奴らの臭いを避けて行け』
『自分の生き方は与えられるものじゃない!自分で勝ち取るんだ!』
《フシはピオランと再会し言葉や人間としての生き方を教わりながら旅を続ける》
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