第31話「父と子の戦い」
…あらすじ…
ダイの右手の拳に浮かび上がった竜(ドラゴン)の紋章 。それは、母ソアラから受け継いだ人間の心によってもたらされた奇跡なのか…?竜の紋章の力を一点に集中させることで、バランをも上回るパワーを得たダイは、怒りを燃やして 父と戦う。 バランもまた竜闘気(ドラゴニックオーラ)を纏ってそれに反撃する。二人の竜(ドラゴン)の騎士が激しくぶつかり 合う。はじめのうちは、パワーをセーブして戦っていたバラン。しかし、ダイの猛攻に逆上し、 息子に向かって容赦なくドルオーラを放つ。すさまじい威力の超呪文を、ダイはルーラで回避するも、バランはすぐさまドルオーラを放つ。ダイは竜闘気を纏ってその攻撃を耐えしの ぎ、逆にバランへと渾身のアバンストラッシュを食らわせる。ついに父子の戦いが雌雄を決したかに思われたが、ダイのナイフは竜の騎士の力に耐えきれず、バランに止めを刺す前に崩壊してしまった。千載一遇のチャンスを逃したダイに、バランは真魔剛竜剣を手にして再び襲い掛かる。一方、レオナは事切れたポップの 身体に、蘇生呪文(ザオラル)を唱えるが―
『お前なんか父さんじゃない!』
(なんだと!?ドラゴニックオーラに覆われたこの私の体に一撃を!)
ヒュンケル『ダイの紋章が拳に!?』
(バカな…絶対にありえない!数千年に及ぶ長いドラゴンの騎士の歴史において額以外の場所に紋章の光が発動するなど一度たりともなかったはずだ!)
(まさか人間の心…ソアラの思いがこれを…)
ク「どうなっているんだ!?ドラゴンの紋章が拳に現れるとは!」
『恐らくダイが自らの意思でそうしたのだろう』
『バランの頭脳支配から逃れヤツ以上のパワーを得るには紋章の力を額以外のどこか一点に集中させるしかないと悟ったのだ』
ヒュ『たとえ全闘気の力では劣っても一点に集中すれば一撃の破壊力は勝る』
『たぶん従来のドラゴンの騎士にはできんのだろう。現にバラン自身が驚いている』
ダイ『覚悟しろ…バラン!』
『アンタはたくさん奪った。俺の…俺の大事なものを。たとえ親だろうとなんだろうと絶対に許さない!』
『ぶちのめしてやる!』
バ「生意気な口を…きくなァ!」
「すごい!」
『これは俺の直感だが…この奇跡はダイの体に半分流れている人間の血が起こした気がする』
「友を思う人間の心が血の滾りとなって竜と魔の力を腕へと追いやった。そして逆に支配したんだ」
「それでは今のダイは…」
『恐らく自らの意思で100%ドラゴンの紋章の力を操れるはず』
バ(ソアラよ…お前までが私が間違ってると言うのか!?)
「おのれえええ!」
「ドラゴニックオーラ!」
「うぅ…バカな…」
「やった!お前の言う通り一撃の破壊力はダイのほうが強い!」
『うむ。しかし…』
バ「ハァハァ…ふざけおって。子供が親に勝てるものか」
「いい加減にせんとその体に風穴が開くぞ。この紋章閃は全開で放てば山をも砕く威力があるのだ」
『だからなんだっていうんだ?』
「いいんだな…ディーノ!」
『俺は…俺はダイだ!』
「食らえええええ!」
カナル「王様!今のは!?」
フォルケン王『ドラゴンの騎士様だ』
『本気でやれよ』
「なんだと!?」
『ポップやみんなにはできて俺にはできないのか!?』
「図にのるなよこのガキめがァ~!」
(いかんダイ。バランをそれ以上怒らせては…ヤツの力はまだそんなものじゃないはずだ)