バイデン氏は大統領としての仕事をきちんとできてないのではないか――そうほのめかす質問をした保守系メディア記者に対し、ホワイトハウスのジェン・サキ報道官がシンプルで鋭い回答をした。
質問をしたのは保守系メディア・ニュースマックスのエメラルダ・ロビンソン記者だ。
ロビンソン氏は5月8日のホワイトハウスの記者会見で「オバマ政権で働いていた人たちがバイデン政権で働いている。そしてバイデン大統領は比較的忙しくない。このことから、現政権が実質オバマ大統領の3期目ではないかと多くの人たちが受け止めるようになっています。そのことをどう思われますか?」と、サキ報道官に尋ねた。
ロビンソン氏は多くの人が誰かを示さずに「多くの人が言っている」と主張しているが、これはトランプ前大統領が好んで使ったフレーズだ。トランプ氏は「多くの人たちが言っている」という言葉を、事実の裏付けのない発言の中でよく使った。
しかしロビンソン氏の「多くの人たちが」と言う問いかけに対して、サキ氏はシンプルに「誰が言っているのでしょう?」と聞き返した。
するとロビンソン氏は「メディアの多くの人たちが言っています」と答えた。
サキ氏が「メディアの誰が?」と尋ねると、ロビンソン氏は「様々な人たちです」と答えた。
サキ氏が笑顔で「例えば」と聞き返すと、ロビンソン氏は突然話題を変えた。
ロビンソン氏が次に尋ねたのは、それまでの質問とは全く関係ない、4月の菅義偉総理大臣の訪米だ。
ロビンソン氏は、菅氏を迎えたのがバイデン大統領ではなくハリス副大統領だったことを挙げて、「ハリス氏が菅総理を迎えたことに疑問を感じる人たちがいます。彼らにそのことをどのように説明されますか」と尋ねた。
この質問にもサキ氏は「どんな人たちが疑問に思っているのかを知らずに、どう考えているのかを伝えるのは難しい」とした上で、バイデン大統領は菅総理と会議をし、記者会見を開き、ともに食事したと説明。さらに、ハリス氏がこれまでも各国首脳との会議に参加してきたことから、ハリス氏が菅総理を迎えたのは驚くことではないと述べた。
ロビンソン氏に限らず、多くの共和党政治家が「菅総理を迎えたのがハリス氏だった」ことを理由に、バイデン氏が大統領として適切な働きができていないように主張している。
彼らは「バイデン氏は忙しくない」とも主張しているが、バイデン大統領は就任以来、閣僚の指名やワクチン供給、インフラや増税計画の発表、様々な大統領令へのサインなどに携わってきた。
一方ワシントンポストによると、トランプ氏は大統領期間中のうちの428日で、自身が関与する企業グループ「トランプ・オーガナイゼーション」の建物を訪問していた。これは3.4日に1回訪れた計算になる。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。
Source: ハフィントンポスト
「バイデン大統領は忙しくないと多くの人が言ってますが?」記者の質問にホワイトハウス報道官がぴしゃりと回答