今回は、時間と手間がかかる複雑な仕組みなしで、確実に生産性を高められる3つのToDoリストを紹介します。
計画性や生産性に関していえば、ToDoリストが究極のツールとなります。しかし、ToDoリストを多用しすぎると、ToDoリスト自体が先延ばしの言いわけになってしまうことも…。
本当にそんなにたくさんのToDoリストが必要なのでしょうか? 今回は、時間と手間がかかる複雑な仕組みなしで、確実に生産性を高められる3つのToDoリストを紹介します。
人間の心理に関する研究から、私たちがなぜリストをつくるのか、生産性についてどう捉えているのかに関する、興味深いアイデアがたくさん生まれています。ザイガルニック効果もその1つ。
これは、達成したタスクよりも、未達成のタスク、中断状態になっているタスクのほうをよく覚えているという現象を指します。利用価値のあるメカニズムですが、このザイガルニック効果が生産性の低下につながると考える人たちもいます。
以下は、『Willpower: Rediscovering the Greatest Human Strength(WILLPOWER 意志力の科学)』という本からの、よく引き合いに出される引用です。
長い間そう考えられてきましたが、ザイガルニック効果はタスクを達成するまで働き続けるリマインダーではありません。
[中略]そうではなく、無意識が意識的な脳に計画を立てるようにと求めているのです。[中略]計画が立てられれば、無意識はリマインダーを送って意識的な脳をわずらわせるのをやめるでしょう。
頭をクリアにしておくほど、タスクに集中しやすくなります。それが、生産性システム「Getting Things Done」の背景にある基本原理です。
とはいえ、そこまで徹底する必要はありません。以下の3つのリストにうまく活用すれば、無意識は騒ぎ立てるのをやめるはずです。その結果、生産性も向上します。
毎週日曜日に10〜15分かけて、翌週の優先事項を決めましょう。達成するたびに線で消すようないわゆるToDoリストの形式になっている必要はありません。
たとえば、「学校の授業に追いつく」や「エクササイズに再挑戦する」といった項目をリストに加えてもOKです。こうした項目はたいてい、毎日の「デイリータスク」にうまく分割することができます。
このリストの目的は、大きなアイテムを無意識の中から紙の上に取り出すことです。週のはじめに優先事項リストを書き出してください。
これで、無意識はあなたが重要なタスクに関する計画を立てたことを知り、心配するのをやめるはずです。また、紙に書いたことで、優先事項を忘れづらくもなる効果もあります。
週の優先事項リストは簡潔でシンプルなものにしておきましょう。アイテムの数は3〜5つあれば十分です。その週の包括的な目標やガイドラインを書き出す感じでOK。
そして、毎朝、この週の優先事項リストを眺めながら、一日のToDoリストを作るようにします。
デイリーのToDoリストを1つ作るだけで、1日を秩序立って過ごすことができます。リストづくりに役立つアプリはたくさんあります。Trelloといった定番アプリや、超シンプルなToDoリストアプリのなかから好きなものを選んでください。
また、ToDoリストをセグメント化すると効果的です。1つのやり方は、「3つの高優先度タスク」「3つの中優先度タスク」「いくつかの低優先度タスク」にセグメント化することです。
優先度のほか、文脈でセグメント化することも可能です。たとえば、「家事」タスク、「仕事」タスク、「フィットネス」タスクにセグメント化してもかまいません。
仕事用のToDoリストを作るなら、「会議」「電話」「プロジェクト」などでセグメント化するとよいでしょう。
3つめのオプションは、受信箱をToDoリストとして使うことです。
どのようにセグメント化する場合でも、リストはかならず自分の手に追えるものにしてください。24時間で達成できることは限られています。また、いつ想定外の邪魔や急用が入るかわからない、ということも頭にいれておきましょう。
生産性を高めるさらにシンプルなやり方もあります。アメリカ国防総省で働くある女性が話していた方法です。生産性を高めるためにやっていることはと質問されたその女性は、「タスクを優先度順に書き出したら、上位3項目より下のタスクはすべて消してしまう」ことだと答えていました。
最近、「達成したタスクリスト」が、生産性ツールとして脚光を浴びつつあります。はじめて聞いたという人でも、意味はすぐわかるでしょう。文字通り、その日に達成したタスクのリストのことです。
このリストの意義は何かって? ストレスマネジメントです。長過ぎるToDoリストや、未達成なタスクが並ぶToDoリストは、ストレスの要因になります。
「達成したタスクリスト」を作れば1日にどれくらいのタスクを達成できたかがわかるとともに、今後、どのぐらいのタスクをリストに加えればいいかもわかるようになります。
たとえば、その日の高優先度アイテムが「四半期ごとの会議の計画」と「週次レポートの作成」「ガレージの掃除」だったとします。
3つとも達成できたのなら、「達成したタスクリスト」にそのままこの3つを書き込めばOKです。また、たとえ達成できなかったとしても、その日はマーケティング予算に関する2件の電話に応対し、採用候補者のリストを作り、プロジェクト承認に関するメールを6通送信し、帰宅途中に食料品の買い出しを済ませたのなら、そうしたタスクをすべて「達成したタスクリスト」に書き込んでかまいません。
そうすることで、自分が今日どれだけのタスクを達成できたのかを確かめることができます。
達成したタスクのすべてが高優先度のタスクとはかぎりませんが、無視できないタスクであることは確かなはず。そうしたタスクをいくつ達成できたのかが目に見えるようになることで、満足感を得られるでしょう。
小さなタスクも積もり積もれば、生産性に大きな影響を与えます。あなたも「達成したタスクリスト」を作ってみれば、自分が1日に思ったより多くのタスクを達成していることに気づくことでしょう!
もちろん、誰でもそれぞれに合ったタスクマネジメント戦略というものがあるはずです。上で紹介した3つのToDoリストを出発点として、自分に合ったやり方を見つけてください。
ToDoリストは自分にとって逆効果になる? ご心配なく。ToDoリストがなくても生産的になることはできます!
――2019年2月25日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
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Original Article: 3 Types of Lists That Actually Help You Be More Productive by MakeUseOf
訳:伊藤貴之
Source: ライフハッカー
確実に生産性が向上する3種類のToDoリスト