Peak Design(ピークデザイン)はスタイリッシュかつ機能的なデザインで知られる、サンフランシスコを拠点とするカメラ・アクセサリー・ブランドです。
そんな同社が「Amazon ベーシックがPeak Designをパクった」とする実質的告発動画をYouTubeに公開し、話題となっています。
ピークデザインは、動画の中でAmazon ベーシック(写真左奥)と同社の製品(写真右手前)を比較。これは確かによく似ています。
Amazon ベーシックが販売している『Every Day Sling』は2020年10月に販売が始まっています。
ピークデザインの『EVERYDAY SLING』は2017年に発売されたもの。
側面のタグの位置やジッパーの角度などを比較すると「偶然、似てしまった」とは思えない類似度。
記事作成時点で、米国のAmazonで「Everyday Sling」と検索すると、ピークデザインの製品と並びAmazon ベーシックの製品が上位に表示されます。
なお、米国の大手テックメディア『The Verge』によれば、ピークデザインの動画が公開された後に、Amazonは製品名を『Everyday Sling』から『Camera Bag』に変更しているようですが、製品ページのURLには「AmazonBasics-Everyday-Sling-Inches-Black」が残っているとのこと。
動画の中でピークデザインが皮肉たっぷりにAmazon ベーシックをディスる様子は以下の通り。あえてネタにして笑っている感はありますが、内心はきっとブチ切れなんじゃないでしょうか?
「ホットセール(売れ筋の製品)」を発見する二人組。
いかにも小悪党といった表情で製品をパクる相談を始めます。ちなみに、この目玉付きメガネはAmazonで購入できるそうです。
ピークデザインの製品をトレーシング・ペーパーでコピーし始める二人組。
なお、Amazon ベーシックのカメラバッグは35ドル14セントで、ピークデザインの『Every Day Sling』は69.99ドルで、値段にはほぼ2倍の差があります。
ピークデザインはこれについて「研究開発を行う費用、環境負荷の低いブルーサインマテリアルの使用、工場作業者に対するフェアな賃金支払い、カーボンニュートラルなどへの取り組みを含むコストを反映したもの」と説明しています。
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この件が米国の法律上問題があるのか? 訴訟に発展するのか? といった点については記事作成時点では不明です。また「Every Day Sling」という一般名詞の組み合わせに個性があるか? ピークデザイン製品の要素が全てオリジナルかつ最初のものか? といった点には議論があるかもしれません。
しかし、この名称とこのデザインで構成された「カメラが入る、スタイリッシュなスリングバッグ」はピークデザインが開拓し、広めた製品であることは同社を知る人たちからすれば明らかです。
また、巨大なプラットフォーマーであり、市場に支配的な力を及ぼすAmazonが(意図したかどうかは別にして)革新的な新興メーカーの製品を脅かすような製品を販売することをフェアだとみなすことは難しいでしょう。
優れたデザインをアレンジして取り入れることや健全な価格競争が存在することは消費者にとってメリットがあります。しかし、企業規模の非対称性からみて、この件に関してAmazon ベーシックのやり方を支持することはユーザーの利益を損なう可能性があります。「いま、安いものが買えれば、あとはどうなってもかまわない」というならいざ知らず、新興企業が新しいデザインや機能を持った製品を生み出し続けられるようにするには、プラットフォーマーによる実質的な「パクリ」や「後出し」に対して、消費者がそれを見抜き、Noと言えるようにならなければなりません。
本ページに記載されたリンクからの売り上げは一部が製作者に還元される場合があります。 *Source:Peak Design、The Verge、Amazon(米国) *Category:Technology テクノロジー
Source: AppBank
ネタにしてるけどブチ切れ!「Amazon ベーシックはパクり」と米国有名ブランドのピークデザインが告発