GitHubはアメリカの法律を守りながらサービスを提供する必要があるため、政府の制裁により一部の国でサービスを提供できない状態が続いています。しかし、GitHubの目標は「開発者がどこで暮らしていてもGitHubを自由に使用できること」であるとして、これまでアメリカ政府に対してさまざまなアクションをとってきたそうです。そして2020年1月5日、GitHubはアメリカ政府からイランでサービスを提供するためのライセンスを取得したことを発表しています。
GitHubはアメリカの法律を守りながらサービスを提供する必要があるため、政府の制裁により一部の国でサービスを提供できない状態が続いています。しかし、GitHubの目標は「開発者がどこで暮らしていてもGitHubを自由に使用できること」であるとして、これまでアメリカ政府に対してさまざまなアクションをとってきたそうです。そして2020年1月5日、GitHubはアメリカ政府からイランでサービスを提供するためのライセンスを取得したことを発表しています。
Advancing developer freedom: GitHub is fully available in Iran – The GitHub Blog
https://github.blog/2021-01-05-advancing-developer-freedom-github-is-fully-available-in-iran/
GitHub says it will now operate in Iran after receiving sanction exemption – The Verge
https://www.theverge.com/2021/1/5/22215588/github-iran-sanction-exemption-license-granted-us-treasury-microsoft
アメリカは長い間、イランを含む複数の国に対して広範な制裁を課してきました。これらの制裁により、アメリカ企業は制裁対象国の組織や個人とビジネスを行うことが禁じられています。また、制裁措置はアメリカの銀行またはVisaのような支払いシステムを介して流れる支払い処理を含むため、企業活動が直接あるいは間接的にアメリカに関係するアメリカ国外の企業に対しても適用されてきました。
そのため、GitHubは2019年にイランおよび他のいくつかの国からのアクセスを制限する措置をとらざるを得なくなったそうです。これにより、イランを含む制裁対象国の開発者たちはGitHubにアクセスすることができなくなってしまいました。しかし、「すべての人がサービスを利用できるようになる」という目標を掲げるGitHubは、制裁措置に対して2つのアクションをすぐに実行したとのこと。
GitHubが制裁措置に対してとったアクションのひとつが「制裁措置を遵守しながら、できる限り多くの開発者がGitHubを利用できるようにするために多大な努力を払い、制裁対象国でもパブリックリポジトリを利用できるようにする」というもの。もうひとつは「アメリカ財務省の一部である外国資産管理局(OFAC)に対して訴訟を提起し、認可された国でGitHubへのオープンなアクセスを求める」というものです。
これらのアクションを取り始めてから約2年の月日がたち、GitHubはついにOFACからイランでのサービス提供に関する承認を得ることに成功。GitHubは「言論の自由と情報の自由な流れを促進するというアメリカの永続的な外交政策が、どのように促進されるかを示すことができました。開発者にとって素晴らしい結果につながったこの取り決めに関して、OFACに感謝します」と述べています。
これにより、イランの開発者に対する制限は一切が解除されることとなり、制裁前の状況にすべてが戻る、つまりはイランからGitHubのフルサービスにアクセス可能となります。
なお、GitHubはすべての開発者が共同作業できるように、今後はクリミアやシリアといった国でのサービス提供に向けた動きを進めるとしています。
Source: ギガジン
GitHubがイランでも完全に利用可能に、「すべての人がサービスを利用できる」という目標に向け一歩前進