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知ってる?熱をもちにくい服の色。表面温度は最大で20度以上の差も【熱中症対策】

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2023/07/18 04:55 ウェザーニュース

三連休は40℃に迫り危険な暑さが続いている中で、少しでも暑さを和らげたいものです。

着る服の色によって表面の温度が20℃以上も違うという実験結果があります。どんな色の服が熱中症対策に効果的なのか、その理由はなぜか、国立環境研究所・上席研究員の一ノ瀬俊明さんに伺いました。

服の色で表面温度が変わる 熱中症リスクを軽減

まず、太陽の光と物の色との関係を、一ノ瀬さんはこう語ります。

「太陽からはさまざまな放射エネルギーが地表に届きますが、目に見える可視光線と、目には見えませんが少しだけ波長の長い近赤外線の割合が高くなっています。植物の葉が緑に見えるのは、緑の光に対応した波長帯の放射エネルギーが多く反射されるためです。

白い物体の表面ではほとんどすべての光に対応した波長帯が反射され、黒い物体では波長帯の多くが吸収されてしまいます」(一ノ瀬さん)

物体は色によって、太陽から放射されたエネルギーを反射する率が異なる、というのです。反射されなかった放射エネルギーは、吸収されて熱にかわります。そのため、白や黄色など反射率が大きい色の物体ほど、熱を持ちにくいのです。

「熱中症のリスクを減らすには、反射率が高く熱を持ちにくい服の色を選ばなければなりません」(一ノ瀬さん)

夏の服の色選び 最大で20℃以上の差

では、服の色によってどれくらい温度差が出るのでしょうか。

一ノ瀬さんたちは夏の炎天下、色の異なる同素材のポロシャツ9枚を屋外に並べ、表面温度の経時変化を比較する実験を行っています。近年の実験結果を教えていただきました。

「風がほとんどない気温30℃の屋外で実験したところ、5分間日光に当てただけでシャツの表面温度は大きく変わりました。白色のシャツが気温と同じ30℃なのに対し、黒色や深緑色のシャツは50℃を超え、その差が20℃以上になったのです。子どもや高齢者が真夏に外出するときは、着せてあげる服の色に注意する必要があります」(一ノ瀬さん)

9色の温度差は、どのような順番になったのでしょうか。

「白、黄色がいちばん低く、少し高いのがグレー、赤でした。紫、青が次に高くなり、緑、深緑、黒がいちばん高温のグループを形成しました」(一ノ瀬さん)

熱中症対策にはこまめな水分の補給などさまざまな方法がありますが、外へ着ていく服の選び方でも熱中症対策になることがよくわかります。気温が上がることが確実な日は黒い色の服を避け、温度の上がりにくい白いシャツを着て出かけることをおすすめします。

「白いシャツは汚れやすいから嫌だという人は、反射率が比較的高い黄色、グレー、赤色のシャツをお勧めします」(一ノ瀬さん)

紫外線を避けるには黒い色の服がいいとされますが、熱中症を避けるためには太陽光を受けても温度の上がりにくい白い色の服がよさそうです。暑さを少しでも和らげられるように、服の色でも調節できるといいですね。

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