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ヒートショックを防ぐための5つの対策を紹介。冬の入浴で注意すべきポイントは?

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2024/12/08 12:02 ウェザーニュース

寒くなってくると、帰宅後の温かいお風呂が楽しみになります。しかし、不用意に入浴してはいけません。家庭のお風呂には「ヒートショック」という命にかかわる現象が潜んでいるのです。
横浜鶴見リハビリテーション病院(横浜市鶴見区)の吉田勝明院長に、ヒートショックの危険性と防ぐための主な対策を伺いました。

命も奪いかねない「ヒートショック」現象

「ヒートショックとは、急激な温度変化が体にダメージを与える現象の総称です。人の血圧は、気温が低くなると血管が縮んで上昇し、気温が高くなると血管が広がって下降します。

その変化が急激だと、心筋梗塞や脳梗塞など血管障害を起こしかねないのです。一般的に気温差が10℃以上あると、ヒートショックが発生しやすいとされています」(吉田院長)

10℃以上の気温差は、暖房の効いた屋内と木枯らしの吹く屋外ではよく起こりますが、入浴が特に危険なのはなぜでしょうか。

「寒い屋外に出るとき人はしっかり服を着こみますが、お風呂に入るときは裸になります。しかも、居間(暖かい)→脱衣所(寒い)→浴槽内(暖かい)→洗い場(寒い)と、気温の乱高下にさらされます。これが、家庭で入浴中にヒートショックが起こりやすい最大の理由です」(吉田院長)

では、どうしたら安全に冬場の入浴を楽しめるのでしょうか。特に気をつけたい5つの対策をみてみましょう。

(1)浴室を暖める

「まずは、お湯はりをする段階から浴室を暖めておくことです。理想的なのは、浴室暖房機を設置し、事前にスイッチをオンにしておくこと。マンションなどで、洗濯物を干せる浴室暖房乾燥機が設置してあれば、毎回準備しておきましょう。

そうした設備がなければ、シャワーでお湯はりをすることで、湯気がこもって浴室を暖かくできます。高い位置から、浴槽内へシャワーでお湯をはってください。普通にお湯はりをして、最後の数分間だけ熱めのシャワーを高くからかけても効果があります」(吉田先生)

(2)脱衣所も暖めておく

「冬の間は、脱衣所の暖房が必須です。浴室と一緒に脱衣所にも暖房が入っていないご家庭は、場所をとらないスリムな電気温風機がたくさん市販されているので、ぜひ購入してください。安全性を考えて、天井や壁の上部に設置するタイプもあります。

浴室と脱衣所を暖めると、ヒートショックの危険性は大幅に減少します」(吉田先生)

(3)湯温は41℃以下、浸かる時間は10~15分

それでも危険なのは、熱いお湯に浸かることを好む人だそうです。

「アツアツのお湯でないと入浴した気がしない人は、浴槽内で血圧が下がりすぎる危険があります。ぬるめのお湯でも長く入っていると次第に血圧が下がるので、湯温設定は41℃以下、浸かる時間は10~15分を目安にしてください」(吉田先生)

(4)かけ湯をしてから入る

「いきなり浴槽に入らず、かけ湯をしてから入るのも、重要なヒートショック対策です。41℃程度のお湯でも、急に入ると血圧は乱高下します。浴槽のお湯やシャワーのお湯を手足から下半身、上半身へとゆっくりかけ、体をお湯に慣らしてください」(吉田先生)

温泉や銭湯では、かけ湯をしてから湯船に入ります。その場合も、桶に汲んだお湯をいきなり頭や胸にかけるのはやめたほうがよさそうです。

(5)入浴前後に水分を摂取

「入浴すると、汗をかくので脱水状態に陥ります。また、熱中症のような状態になりやすいので、必ず入浴と水分摂取をセットにしてください。入浴前後で合計300~500mlの水分を摂取すると理想的です」(吉田先生)

水道水やミネラルウオーターだけでなく、麦茶や牛乳など体に優しい飲み物であれば、お好みの飲み物でいいそうです。

その他にも、吉田先生は「食後すぐの入浴、アルコールが抜けないうちの入浴は避ける」 「睡眠薬や精神安定剤を服用していたら入浴しない(させない)」などの注意を呼びかけます。

「特に高齢者の場合は、同居者がいれば入浴前に一声かけたり、いつまでも出てこないときは同居者が様子を見に行ったりすると安心です」(吉田先生)

このように冬場の入浴には、いくつかの注意事項があります。ヒートショックに気をつけて、安全な入浴を心がけましょう。

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