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韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が12月3日夜に、非常戒厳令を布告したものの、わずか約2時間半後に韓国国会は無効を決議し、布告から6時間には、大統領自ら非常戒厳を解除した。
韓国で非常戒厳が出されたのは1987年の民主化後初めて。1980年5月には戒厳令下で軍政に抗議した市民が数多く虐殺された「光州事件」も起きた。
今も韓国社会には大きな動揺が広がっている。
尹大統領は3日の夜10時過ぎ、国民に向け緊急談話を出し、「自由憲政秩序を守るために非常戒厳を宣布する」と述べた。2022年の発足以来、多数の政府官僚の弾劾訴追が発議されるなど、「国政がまひ状態にある」ことなどが理由だと説明した。
非常戒厳令では、国会や地方議会での一切の政治活動のほか市民のデモや抗議活動なども禁じられ、すべてのメディアが統制を受けるなど、市民の活動が大きく制限される。
これを受け、国会には非常戒厳令の解除を求めて最大野党の「共に民主党」の議員らが集まったほか、盾を持って並ぶ警察官を前に、市民らも激しい抗議活動を行なった。
深夜1時頃、国会は本会議を開き、非常戒厳を解除するよう要求する決議案を、出席議員190人の全会一致で可決した。
明け方4時過ぎには尹錫悦大統領は「非常戒厳」を解除する方針を示し、「軍も撤収させた」と述べた。
4日午前、「共に民主党」は決議文の中で、尹大統領の非常戒厳宣言について「明白な憲法違反だ。内乱行為であり、完全に弾劾事由だ」と非難し、即刻自ら辞任するよう求めた。退陣しない場合には、弾劾手続きに入るとしている。
尹大統領への市民の抗議活動は、4日にも続いている。
オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
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