知ってる? 傘の「正しい水の切り方」。トントンもクルクルも、実はNGだった(2024年上半期回顧)

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※2024年上半期にハフポスト日本版で反響の大きかった記事をご紹介しています。(初出:6月24日)

2024/06/23 05:15 ウェザーニュース

今年も梅雨の到来とともに、本格的な傘の出番となる時季がやってきました。
頻繁に開いたり閉じたりを繰り返す傘にはそれなりの負荷がかかっていて、お気に入りの傘を長く使い続けるには水切りなどの正しい操作方法や、日頃のメンテナンスが大切になります。
そこで、傘専門のオンラインショップ「心斎橋みや竹」(大阪市)に、梅雨どきにこそ知っておきたい傘のメンテナンス法などを伺いました。

間違った水の切り方とは?

傘を使った後、閉じる際に気になるのが生地に付着した雨水で、水切りは欠かせません。水切りの際に「やってはいけないやり方」はあるのでしょうか。
「間違った水切り方法により、傘の寿命が著しく縮まる場合があります。まず、よくやってしまいがちな『間違った傘の水切りの仕方』について説明しましょう。

傘全体をブンブン振って水を切ったり、傘をトントンと地面にあてて水を切ったりすることはNGです。これは、傘のハンドルやシャフト部分に大きな負荷を与え、累積したストレスによってパーツが割れたり、折れたり、曲がったりして、傘全体のバランスを崩す原因となるからです。

傘を閉じてからクルクル回して水を切るのもNGです。これを行うと傘の上下の『ろくろ(骨を束ね止めるパーツ)』や、親骨と受骨のジョイント部分に大きな負荷を与えます。そのため、天頂から雨水が入り込んで中棒を伝って落ちる症状が生じたり、骨が損傷したりする可能性が高まるからです」(心斎橋みや竹)

振ったり地面にあてたり回したりしての水切りが、傘にダメージを与えることはわかりました。これらのやり方の「水切り効果」については、いかがでしょうか。

「実は、傘全体を振る、傘を地面にあてる、閉じてから回すという“やりがち”な方法では、いずれも思ったほど生地に付着した水切り効果はありません。

傘へのダメージを考えても、できればこれらの方法は採らない方が無難です」(心斎橋みや竹)

傘へのダメージが少ない“正しい水の切り方”とは?

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それでは、正しい傘の水の切り方とは、どのような方法なのでしょうか。

「周囲に人がいないことを見定めて、傘を斜め下方向の地面に向けてパサパサと静かに開閉し、水を切る方法です。付着した水を切る効果が高いうえに、傘に与えるダメージも極めて少なくなりますので、おすすめの方法といえます」(心斎橋みや竹)

この方法が“正しい水の切り方”というのは、どのような理由によるのでしょうか。

「傘に限らず世の中のすべての道具には、想定された動きと想定外の動きといえるものが存在します。傘の中棒に沿って『開いて、閉じる』にかかわるすべての動きは、傘の使用方法の想定内なので、全体のバランスを崩してダメージを与えることがないからです。

お気に入りの傘を普段から大事に扱っているつもりでも、水切りの際に振る、地面にあてる、閉じてから回すという方法は、傘にとって想定外の動きであり、知らず知らずのうちにダメージが与えられているのです。

雨の日の大事なパートナーである傘にも、思いやりをもって接してあげてください」(心斎橋みや竹)

その他にも注意したいポイントが

正しい水の切り方以外に、傘のメンテナンスで注意すべきポイントはありますか。

「まず日頃から、使用後の“水掛け”を実行することです。雨水には多くの不純物が含まれています。これが生地に残留することによって、変色をおこす可能性があるのです。使用後に上水(水道水)を全体に掛けることで、かなりの変色予防効果があります。

ホースによる“水掛け”がベストですが、きれいに洗ったペットボトルや風呂場でのシャワー掛けでも構いません。汚れが蓄積してから洗剤で洗うより、シンプルで簡単な手入れ方法です。特に明るめで繊細な色の生地ほど、“水掛け”をしたほうがいいでしょう。

理想は『傘を使ったらすぐに開いて“水掛け”、陰干しをする』ですが、『一夜干し』でもメンテナンス効果は十分高まります。

水分をよく払い金属部を乾いたタオルで拭いて、朝までずっと開いておくだけです。全開きがベストですが、空きスペースがないときはシャフトの中間に紙か布などをあてて大きめのクリップで挟むと、『下ろくろ』で止まって場所を取らない半開き(中開き)が可能です。

折り畳み傘の場合は、中棒を少し縮めれば『自立干し』もできます」(心斎橋みや竹)

傘も靴と同様に複数をローテーションすると、それぞれの傘が長持ちするそうです。お気に入りの傘を長く使い続けるためにも、出番が増えるこの時季こそ、傘の正しい水の切り方とメンテナンスを心がけて梅雨を乗り切り、夏を迎えましょう。
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