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観客がモデルに“ゴミ”を投げつけるランウェイ。伝えたかったのは、現代におけるネット上での「誹謗中傷」だった

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2月25日にミラノ・ファッションウィークで行われた「AVAVAV(エーヴィエーヴィエーヴィ)」のショー2月25日にミラノ・ファッションウィークで行われた「AVAVAV(エーヴィエーヴィエーヴィ)」のショー

【こちらもおすすめ】モデルが全員転倒したランウェイ。伝えたのは「フェイクな豊かさ」の軽薄さ

ウィメンズのミラノ・ファッションウィークが2024年2月20日から26日まで開催された。

数多くあるショーの中で、観客がモデルたちに“ゴミ”を投げつけるランウェイが話題となった。演出をしたのはイタリアのサステナブルブランド、「AVAVAV(エーヴィエーヴィエーヴィ)」だ。

AVAVAVは、これまでにもユーモアと皮肉を交えた斬新なショーを繰り広げてきた。ランウェイでモデルが全員転倒したり、未完成の服でモデルを歩かせたりなど、衝撃のパフォーマンスで度々、観客を驚かせている。

なぜそんな演出をするのか。そこにはファッションを通して訴えたい、強いメッセージが込められているからだ。

今回の、2024年秋冬コレクションの発表では、ネット上での「誹謗中傷」を表現した。

観客には“特別アイテム”が提供される

2月25日にミラノ・ファッションウィークで行われた「AVAVAV(エーヴィエーヴィエーヴィ)」のショー2月25日にミラノ・ファッションウィークで行われた「AVAVAV(エーヴィエーヴィエーヴィ)」のショー

今回、AVAVAVの2024年秋冬コレクションの発表では、観客に“ゴミ”の入ったバケツとビニール手袋が提供された。ゴミの中には飲料が入った紙コップや缶、果物の皮などがあり、これらをモデルたちに対して投げつけることができるようになっている。

2月25日にミラノ・ファッションウィークで行われた「AVAVAV(エーヴィエーヴィエーヴィ)」のショー2月25日にミラノ・ファッションウィークで行われた「AVAVAV(エーヴィエーヴィエーヴィ)」のショー

ショーが始まると、観客はランウェイを歩くモデルにゴミを投げつけ、床はどんどんゴミ捨て場のような状態に。それでも、モデルは堂々と歩いていた。

2月25日にミラノ・ファッションウィークで行われた「AVAVAV(エーヴィエーヴィエーヴィ)」のショー2月25日にミラノ・ファッションウィークで行われた「AVAVAV(エーヴィエーヴィエーヴィ)」のショー

さらにランウェイの背景の両側に設置されている電光掲示板には、SNSの匿名コメントが流されていた。コメントは、「ナンセンス」「才能が全くない」「そのファッションが大嫌い」「昔のディオールが懐かしい」など、まさに「誹謗中傷」の内容が永遠とループしていた。

2月25日にミラノ・ファッションウィークで行われた「AVAVAV(エーヴィエーヴィエーヴィ)」のショー2月25日にミラノ・ファッションウィークで行われた「AVAVAV(エーヴィエーヴィエーヴィ)」のショー

最後は、ゴミだらけのランウェイに、クリエイティブディレクターを務めるビート・カールソンさんがランウェイに登場。すると横から1人が走り寄り、カールソンさんの顔に“パイ”をお見舞するというオチでショーは終了。

2月25日にミラノ・ファッションウィークで行われた「AVAVAV(エーヴィエーヴィエーヴィ)」のショー2月25日にミラノ・ファッションウィークで行われた「AVAVAV(エーヴィエーヴィエーヴィ)」のショー

このショーはSNSで拡散され、賛否両論の声が上がっていた。「パワフルで明確的」「背後にあるコンセプトを聞いたら好き」「素晴らしいコンセプト」「モデルたちよう頑張った」などの称賛のコメントがあった一方、「モデルが可哀想」「虐待行為」「炎上商法」「観客が実際に参加したことが人間性を語っている」といった批判の声もあった。

カールソンさんは後日、インスタに「中世には、人々は互いに排泄物や石、ゴミを投げあっていました。 オンライン、あの時代は過去のものではありません」とつづり、現代のネット上での「誹謗中傷」に一石を投じた。

「ヘイトコメントやインターネットの荒らしは、現代文化の一部となりました。 このショーは、言葉による攻撃性を下品な行動に置き換えるという奇妙な実験であり、それが必ずしも現実を反映したものではないことを示したいです」

「モデルたちは自尊心の象徴として振る舞い、めちゃくちゃにされても真剣な顔を保ちました。このパフォーマンスでこのような重要な役割を演じたすべてのモデルに深く感謝します」

 最後は「フィードバックありがとうございます」と締めくくった。

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オリジナルサイトで読む : ハフィントンポスト
観客がモデルに“ゴミ”を投げつけるランウェイ。伝えたかったのは、現代におけるネット上での「誹謗中傷」だった

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