ノッチやパンチホールのないiPhoneを実現するための技術開発が、本格的に開始されたと韓国メディア「The Elec」が報じています。
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iPhoneカメラを画面下に登載する「アンダーパネルカメラ」
「The Elec」によると、LGイノテックはカメラレンズの穴が見えない「アンダーパネルカメラ」(UPC)の先行開発に入ったとのこと。
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このモジュールはiPhoneに登載されることを見据えて開発されているとのこと。UDCはその名の通りディスプレイの下にカメラを登載する技術で、カメラを起動していない間は、パンチホールが画面上にみえなくなります。
一方、UPCの課題となっているのが、一般的なフロント・カメラ・モジュールとは異なりイメージ・センサーへの光の供給が少ない点です。これは、ディスプレイ領域を通過する際に光の損失が発生するためで、その結果、画質や輝度が低下する可能性があります。
一部のAndroidメーカーからはすでにUPC登載スマートフォンが登場していますが、この光量が課題となっており、まだ性能は高くありません。例えば韓国サムスンは、折りたたみスマホ「Galaxy Fold」シリーズにUPCを採用していますが、現状ではカメラが400万画素にとどまっています。
これを補うため、LGイノテックは、光学収差を低減し、光学モジュール周辺の光量比を高めて周辺画質を改善できる特殊な「自由曲面光学系」マルチレンズシステムを開発しているとのこと。LGイノテックは昨年12月からこの技術に関する特許を公開していたとされています。
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また、同じくLGグループ傘下のLGディスプレイもUPCの開発に着手しているとのこと。LGディスプレイは、UPCの光透過率を2023年までに20%、2024年以降は40%まで高め、Appleが期待する標準に近づけることを目指しているとされています。
「The Elec」によれば、AppleはこのUPCを登載したiPhoneが登場するのは「2026年以降」になる見込みです。
なお、ディスプレイ業界に詳しいアナリストのロス・ヤング氏は以前、iPhoneシリーズのディスプレイ開発のロードマップを公開していました。
ロードマップによれば、AppleはUPCを採用する前に、2025年の「iPhone 17 Pro」で画面下Face ID技術を採用するとされています。このロードマップ通りに計画が進めば、2027年には画面下にカメラとFace IDを登載した「穴なしiPhone」が登場することになりそうです。
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